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2003年12月号

NECシステム建設 代表取締役社長
馬場征彦氏
ネットワーク・IT融合の体現で
厳しい環境からプラスに転じる

創立50周年を迎えるNECシステム建設が、
“通信建設”からの飛躍に意欲的に動いている。
今年6月に就任した馬場征彦社長は、
「企業向け分野に注力し真のソリューションプロバイダーになる」
と目標を掲げる。

Profile

馬場征彦(ばば・ゆきひこ)氏
1938年愛媛県生まれ。62年京都大学工学部電子工学科卒業、NEC入社。84年コンピュータ技術本部長代理、87年交換事業部長。90年NEC支配人、93年取締役・交換移動通信事業本部長、98年取締役常務を経て2000年にNECネットワークスカンパニー副社長、01年執行役員専務を歴任。2002年4月からNECシステム建設代表取締役副社長を務め、2003年6月同社代表取締役社長に就任

  この12月で創立50周年を迎えられるわけですが、大きな節目に立って、この間の事業展開をどのように捉えていますか。

馬場 当社は、キャリアから企業まで、有線・無線、衛星、放送等々さまざまな形態のネットワークインフラを構築する通信建設工事およびそれに付随する電気設備工事と、PBXに代表される音声系システムの販売、設置、運用・保守を中心に事業を展開し、1990年代半ばまでは順調に伸びてきました。しかし、通信機器のダウンサイジングによる市場規模の縮小傾向に加え、経済全般の景気後退、IP化に代表される技術の変化等による通信不況のあおりを受けて、ここ数年は厳しい局面に立たされています。2003年9月期の中間決算も、誠に不本意ながら受注高、売上高とも前年比マイナスでした。しかし、社内的には早くから危機感を強め、横山前社長が4年前から新しい事業領域の開拓に取り組んできました。来期の業績には、その成果を出せると見ています。

  創立以来の通信建設事業については、今後どのような展開をお考えですか。

馬場 最初にお話したように、市場規模が縮小傾向にありますし、当社の中でも事業比率が下がってきていることは事実です。とはいえ、このビジネスがなくなるということは絶対にありませんから、当社の有力な事業基盤の1つであることを改めて認識して、体制の再構築を図っていきます。
 その一例が、移動体関連事業の組織再編です。以前、携帯電話を中心としたキャリアインフラ構築に対応するため「移動通信事業本部」という全社的な部隊を設けていたのですが、2年前に組織を変更し、各拠点に事業責任を分けたのです。ところが、そうしたことで全社的な連携が希薄になり、地域によってビジネスへの取り組みに温度差が出てきてしまいました。そこで、改めてこの10月1日に、全国の移動体関連事業の情報を集約し、さらなる品質の向上とお客様対応力の強化を図るために、「移動通信推進本部」を設置しました。これはすなわち、「通信建設事業も強化・推進していく」ことを、経営者として社内外に意思表示したということでもあります。
 また、12月1日から始まる地上波デジタル放送では、東名阪の多くのテレビ局設備構築に当社が携わっています。今後、東名阪以外の地方局の設備についても、多くの受注が見込まれています。

特徴あるソリューションプロバイダーを目指す

  では、新しい事業領域の内容を教えていただけますか。

馬場 事業ドメインでいうと、最近、特に注力しているのが、ネットワークインテグレーション・サポートサービス事業であり、この領域が、今下期には売り上げ全体の5割を超えるまでに成長します。まず、ネットワークインテグレーション事業については、今後ますます加速するIP化に対応し、音声・データ・映像を統合したネットワークシステム、セキュリティシステム、Web関連技術などの提供を中心に展開していきます。さらには、次世代携帯電話のソフトでは、ワールドワイドな機種の開発を受託しており、今後も注力していく分野です。
 また、競合相手の多くが「ソリューションプロバイダー」を標榜する中で、具体的な特徴を出すための策として、先進的な技術力を備えるネットワークベンダーとのアライアンスを進めています。その第一弾が、米Inkra Networks社のバーチャルサービススイッチ「Inkraシリーズ」です。この上期、SI会社やNECの関係事業部など約30社に評価してもらい、かなりの手応えを掴んでいます。
 VoIP分野では、一例として、キャリア・サービスプロバイダー向けのサービスも展開しています。IP電話サービス事業者向けには、コンサルティングを含めたシステム構築から、エンドユーザー向けサービスまで、トータルに提供しています。

  サポートサービス事業はいかがですか。

馬場 運用保守のノウハウを生かした戦略を強化しています。当社は、多くの国内外ベンダーの製品を扱っているのですが、販売だけでなく、運用保守・監視などのマネジメントサービスまで請け負っています。SonicWall社やInternetSecuritySystems社の製品が、その例ですね。
 これまで手がけてきたネットワークやシステムの運用保守・監視を単独事業として伸ばしていくとともに、いわゆるトータルアウトソーシング事業へと強化・拡大を図っていきます。当社は、音声、IP、映像等々の幅広い技術分野で、企業ユーザーやキャリア、メーカーとの豊富なビジネス実績があります。このノウハウを生かして、ネットワークはもとより、セキュリティ、運用監視、さらには、アプリケーションやコンテンツまで幅広いレイヤでxSPのサービスをコーディネートし、当社が一括したサービスとして、企業などのお客様へ提供していきます。

組織体制とともに意識も変える

  事業展開のポイントは何ですか。

馬場 当社は、主に機器販売やインテグレーションにおける直販営業や運用保守ビジネスを行ってきたことで、約6000社のお客様を有しています。これは非常に大きな強みですから、既存のお客様をベースに事業を拡大していくことが重要なポイントです。
 その1つめは、既存のお客様の対応と新規のお客様開拓に向けた営業力の強化です。今年4月1日の組織改正で、事業本部ごとに設置していた営業部門を集約し、「営業統括本部」を新設しました。営業統括本部の中には、お客様別に5つの営業本部があります。NECやNECグループ会社との連携を深めるための「NEC営業本部」、キャリア向けのアプローチ部隊となる「コミュニケーション営業本部」、従来から展開してきた業種別の「ソリューション営業本部」、関東地域に特化した「首都圏エリア営業本部」、そして「海外営業本部」です。
 また、地域ごとの事業体制についても、従来は地域事業本部の配下に東日本・中部・西日本の各地区本部を置いて支店をまとめていたのですが、10月1日から地区本部を撤廃して、事業本部と支店の直結体制に改めました。狙いは、エリアごとで閉じられがちな情報やノウハウを全国横断的に共有していくことです。例えば、優良な事例があったら他の地域支店でも同様の提案をしてみる、もっと根本の部分で「支店内で解決できないことがあったら助けを求めればいい」ということです。もちろん、これは支店レベルだけではなく、地域事業本部と他の事業本部とのやり取りにも当てはまります。つまり、単純な組織改革ではなく、まさに“意識改革”なのです。
 2つめのポイントとしては、お客様に当社のサービス内容をよりご理解いただくために、ソリューションメニューを整備したことがあげられます。その内容については、近日中に当社ホームページで公開予定で、展示会への出展やセミナーの開催なども合わせ、プロモーションに注力していきます。

  NEC営業本部は、どのような役割を持っているのですか。

馬場 一言でいえば、NECグループに対して積極的に営業をかけるということです。NEC本体ならネットワーク系だけでなくコンピューター系部門にもアプローチしていきますし、グループ会社にもどんどん足を運んで、ビジネスを拡大していくのです。
 これは、コミュニケーション営業本部も同様です。キャリアに対する機器の納入や設備保守を提供するだけでなく、法人営業部門とのアライアンスビジネスを進めることが狙いです。
 当社が独自に進めるソリューション提案活動にさらなる厚みを加えるため、当社で備えていない技術やサービスの提供においては、NECやキャリア各社の力を借り、お客様の求める課題解決の提案をしていかなければなりません。相互のビジネスチャンス拡大にもなります。

  その他の施策はどうですか。

馬場 社員個々のスキル向上として、IT関連資格の取得に力を入れていることもあげられます。社内で「最上位」「上級」「中級・初級」のレベルを設けて、それぞれに対象資格を割り当てていますが、例えばシスコシステムズ社の「CCIE」を含む最上位レベルの該当者を見ると、今年9月現在で16名になりました。また、上級レベルの対象であるプロジェクトマネジメント資格「PMS」は、国内で企業別資格保有者数ナンバーワンです。今後は、資格取得の成果をいかに実務に反映させるか、つまり受注獲得に生かしていくかがポイントになります。
 もう1つの施策として、「お客様第一」を社内にもっともっと浸透させたいと思っています。今の市場は、サービスにしても機器・システムにしても選択肢が増え、お客様が自由に選べる環境になりました。そうした中で、当社を指名していただくためには、営業はもとよりSE、技術部門も含めて、お客様との信頼関係をもっともっと強化する必要があります。

サーバー・ソフト販売でも高実績

  ところで、今市場ではVoIP分野が脚光を浴びています。もちろん、御社も積極的に取り組んでおられます。その点で、長年手がけてきた“音声通信分野”をどう位置付けているのですか。

馬場 従来のPBXビジネスで培った技術やノウハウを生かすということでは、やはり企業ユーザーに対するVoIP環境の提供を強化していきます。品川駅前や汐留地区の再開発では、多くの名だたる企業が本社機能の移転をしました。その際に、ネットワークインフラの見直しがなされ、各社が先端のテレフォニーシステムを導入しています。そのほとんどのシステム構築に当社が参加し、運用・保守まで任せていただいています。これは、従来からの当社のPBXビジネスおよびネットワークインテグレーション力を認めていただいているからと考えています。
 世間の評価を見ると、確かに当社の音声系に関する経験・ノウハウから「音声のNECシステム建設」と捉えられる向きもあるようですが、こうした見方をVoIPビジネスでうまく利用しつつも、音声だけに特化しているわけではありません。むしろ、お客様に対する付加価値提案を広げていくという点で、データや映像を含めたIP分野全般に注力しています。すなわち、今のネットワークインテグレーション力に加えて、ITインテグレーション力を強化しながら、“ITとネットワークの融合”を積極的に推進していくということです。

  最後に、IT関連ビジネスへの今後の取り組みをお聞かせ下さい。

馬場 NECの「Expressサーバー」の上位販社に位置しているという実績からも分かる通り、サーバー/ソフトウェアの販売に積極的に取り組んでいます。「ITとネットワークの融合に一番適した企業は、NECシステム建設だ」と言ってくださる方もいらっしゃるので、非常に嬉しい限りです。今後は、全社レベルでIT関連のスキルをもっと身に付け、実績をさらに伸ばして、「IT・ネットワーク融合を体現した真のソリューションプロバイダーです」と、宣言していきたいですね。
(聞き手・土谷宜弘)
 

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