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2006年5月号

KDDIネットワーク&ソリューションズ
代表取締役社長
崎田 裕一氏
メタルプラス進撃体制整った
OFFIMOに代理店から反響

いよいよ法人展開の準備が整ったメタルプラス。600社超の電話設備ディーラーとOFFIMOという強力な武器も得たKDDIネットワーク&ソリューションズの崎田裕一社長に聞いた。

Profile

崎田 裕一(さきたゆういち)氏
1948年京都府生まれ。70年3月、京都工芸繊維大学工芸学部を卒業。同年4月、京都セラミック(現京セラ)に入社。95年4月にDDI東海ポケット(現ウィルコム)の取締役に就任し、2000年1月にDDIポケット取締役関西支店長。01年10月KDDI au営業本部au東北支社長、03年4月同au関西支社長を経て、04年11月にKDDIネットワーク&ソリューションズ取締役執行役員常務ネットワーク事業本部関西営業本部長。05年12月、同社代表取締役社長に就任し、現在に至る

  中堅・中小企業への固定通信サービス拡販というミッションを担うため、2004年11月にKDDIネットワーク&ソリューションズ(以下、KNSL)は誕生したわけですが、その後パワードコムとの合併など、KDDIグループの固定通信事業には大きな変化が起きています。御社の役割に影響はありませんか。

崎田 旧パワードコムの部隊はすべてKDDI本体に統合された形ですから、特に変わってはいません。東名阪エリアの官公庁や大手企業はKDDI本体が担当し、われわれは全国の中堅・中小企業を中心に拡販していくという役割分担は従来通りです。
 変わった点と言えば、この4月からau携帯電話を取り扱うようになったことが挙げられます。固定と同様、東名阪の大手企業には本体が販売していきますが、それ以外の彼らの手が届かない企業は、われわれが開拓していきます。

  KNSLというと、固定通信サービスの販売会社というイメージでしたが、4月からは違うということですね。

崎田 ええ、これで社内のFMCが完全に出来上がります。今年度中に営業マンを約100名増強して各支社支店にモバイル担当として配置し、本格的に取り組んでいきます。

  一部の大手企業を除けば、固定・モバイルともに、法人営業はすべてKNSLのミッションということですから、責任は重大ですね。

崎田 そうですね。現在、地方の法人営業の拠点はすべてKNSLに移管されています。全国の法人販売網を任されているわけですから、確かにものすごく重要な役割を担っていると痛感しています。

  この1年半、中小企業市場に本格的に取り組んでみて、どう感じていますか。

崎田 大手企業が相手ですと「顧客を奪った、奪われた」という話はあまりありません。しかし、中堅・中小企業の場合は日常茶飯事です。“切った張った”の厳しい世界ですが、それだけに面白く、やりがいはありますね。

ISDNの不在で遅れ

  御社にとって、最重要商品と言えるのが「KDDIメタルプラス」です。ただ、今のところ、法人の契約数は伸び悩んでいます。

崎田 3月末時点でのメタルプラス累計契約数は、見込値である170万は達成すると思いますが、大半はKDDIが獲得したコンシューマー顧客で、当社がこれまでに獲得した法人メタルプラスの回線数はまだわずかというレベルにとどまっています。というのは、営業するにも難しい状況にあったからです。

  営業活動自体ができていなかったのですか。

崎田 多くの中小企業はISDNとアナログ回線を併用していますから、ISDNのメニューがなければ契約してもらえません。昨年11月にISDN基本インターフェース相当の「メタルプラス電話BRI」を投入しましたが、提供エリアの整備には時間がかかります。ですから「準備が整うまで、もう少し待ってください」とお願いしながらの営業活動となり、積極的には動けなかったわけです。
 しかし、今ではもうエリアの整備もだいぶ進みましたので、今期は精力的に営業展開を図ります。

  いよいよ本格攻勢に打って出る下準備ができたわけですね。どのような体制で拡販していくのですか。

崎田 メインとなるのは間接販売です。われわれも直販部隊は持っていますが、代理店なしでは到底、全国の中堅・中小企業はカバーできません。そこで「これから行きまっせ」と、全国各地で事業説明会を開催していたところです。全国で約600社1000名以上の代理店の方々にご参加いただき、強い手応えを感じています。

  どのような方が代理店になっているのですか。

崎田 主力は電話設備ディーラーさんです。マイラインとは異なり、メタルプラスの販売には、電話や企業の宅内設備に関する高度な知識が求められます。アナログ1回線のSOHOなどなら、電話セールス業者でも対応できますが、ISDNが絡んでくると難しいのが現実でしょう。その点、電話設備ディーラーさんなら、電話や宅内設備を熟知しており、獲得から工事・保守まで安心してお願いできます。
 もともと中継系の事業をメインとしていた当社は、NTTさんと違って宅内はどうしても弱い。電話設備ディーラーさんといかにWin-Winの関係を構築していくかが、われわれにとっては重要なのです。

OFFIMOに手応え

  KDDIが無線LAN内線ソリューション「OFFICE FREEDOM」を発表しましたが、御社も同ソリューションに対応した無線LAN内線アダプター「OFFIMO」を7月に発売します。メタルプラス拡販の強力な武器になりそうですね。

崎田 当社のソリューション事業本部が開発を担当したのですが、大がかりな設備投資をしたくない中堅・中小企業のニーズにぴったり合致した商品ができたと自負しています。OFFIMOはビハインド型のため、ビジネスホンをいきなり更改する必要がなく、低コストで無線LAN内線ソリューションを導入できます。また、主要ビジネスホンにはメーカーを問わず対応する予定ですから、どのディーラーにとっても売りやすいでしょう。

  実際、電話設備ディーラーからの反響はいかがですか。

崎田 かなりの反響をいただいています。ただ、ちょっと困ったのは、メタルプラスよりもOFFIMOに対する反響の方が高いことです(笑)。われわれとしては当然、まずはメタルプラスを販売してほしいわけですからね。
 われわれがOFFIMOで狙っているのは、固定網から携帯網まで、すべてKDDIのサービスで囲い込むことです。
 OFFIMOの販売を本格化させるのは今秋からです。それまでには「メタルプラスとOFFIMOを合わせて導入すると、こんなメリットがある」ということを、しっかり提示するつもりです。

  OFFIMOの販売目標を教えてください。

崎田 08年度末までに3万台と設定しましたが、こればかりは実際に販売してみるまで分かりませんね。ただ現在のところ、相当よい感触を掴んでいます。

インセンティブ競争はしない

  日本テレコムが「おとくライン」の法人営業強化を表明し、またNTT東西も1契約で最大8回線に対応する「ひかり電話オフィスタイプ」を新たに投入して中小企業向けメニューを拡充しました。中小企業市場を巡る戦いはさらに激しくなっていきますが、どう対抗していきますか。

崎田 割安な基本料と事業所間通話の定額サービスという特色を持つメタルプラスは、十分ユーザーに訴求する商品だと考えています。
 ただ、「なんで今どきメタルなのか」という声は今後ますます強まるでしょうから、やはりNTTさんのひかり電話は強敵です。一方、KDDIグループは、中小企業向けの光サービスをまだ用意できていません。光サービスについても早急に手を打つ必要があります。

  キャリア間の戦いが熾烈になると、懸念されるのがインセンティブ競争です。

崎田 インセンティブ競争をするつもりは基本的にありません。代理店さんが希望する金額と、われわれの出せる金額の接点をうまく探っていくしかないと考えています。どちらに傾きすぎても、商売としては長続きしないでしょう。
 マイラインの時のインセンティブ金額を知る代理店さんからすれば、面白くないかもしれません。こちらの勝手な言い分ですが、「1回1回はそれほどの金額は出せませんが、メタルプラス、OFFIMO、光と次々に新しいサービスを投入していきますから、トータルで見てください」と末永いお付き合いを誠実に訴えていくしかないと思っています。長期で見れば、必ずWin-Winの関係になれるはずです。

  メタルプラスの販売において、課題となる点は何ですか。

崎田 案件獲得については代理店さんも長けていますから、やはり当社側の開通の部分ですね。代理店さんも「獲得した案件が、本当にきちんと開通するのか」ということを一番心配しています。

  それはNTT側の対応のことですか。

崎田 NTTさんは非常にきちんとした会社ですから、きちんとした書類を提出しないと受け付けてくれません。この点については、当社側もこれまでしっかりできていなかったと反省しています。書類に不備がなければ、しっかりとやってもらえますから。

  契約は獲得したものの、名義人が分からずに開通できないというトラブルも頻発しているようですが。

崎田 名義の問題は難しいですね。あとは顧客がどのような付加サービスを利用していたかも、把握しなければいけません。

  代理店側の作業負担は、マイラインの時よりもかなり多いですね。

崎田 ですから、たくさんインセンティブを出す余裕はないとはいえ、作業量に見合った金額は用意する必要があります。

今年が本当の山場

  御社のメタルプラスの販売目標数値を教えてください。

崎田 この1年間で、当社が担当する中堅・中小企業市場において、30万回線は獲得したいと思ってます。

  KDDIグループにとっては、固定通信事業の再建が重要な経営課題です。その中核となるのはメタルプラスですから、何としても目標は達成しなければなりませんね。

崎田 固定通信事業の活性化という意味では、確かにメタルプラスが最も重要です。形式上はもちろんKDDIの事業責任分野ですが、気持ちの上では「当社に事業責任がある」という意気込みで取り組んでいきます。KDDI本体からも「そう考えてほしい」と言われています。
 まずはメタルプラスで地歩を固めて、OFFIMOや光サービスにつないでいく。そのための販売基盤は出来ましたので、自信はあります。
 そういう意味では、KNSLという会社を作って、本当に良かったと思っています。大変でしたが、KDDIグループの販売チャネル網を一から建て直すことができましたから。

  打って出る体制は整っているということですね。しかしライバルも必死です。

崎田 ええ、今年は本当の山場になるでしょう。絶対に負けるわけにはいきません。
(聞き手・土谷宜弘) 

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