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Interviewインタビュー

2013年1月号

タブレット軸に企業の成長を支援
「最寄りのドコモ」で顧客に寄り添う

NTTドコモ
取締役常務執行役員 法人事業部長
東北復興新生支援室長
眞藤 務氏

法人分野では、特に金融や医療、製薬などの業種でスマートフォンやタブレットの導入が進んでいる。
中堅中小企業を中心にiPhone/iPadへ移行するケースも増えているが、「docomo LTE Xiでマーケットを拡大できる」と法人事業部長の眞藤務氏は語る。

コンシューマー分野ではスマートフォン、LTE、クラウドを軸に急速に市場が変貌していますが、法人分野はどういう変化が起きていますか。

眞藤 法人市場でもサービスのトレンドはクラウドであり、特にスマートフォンや「docomo LTE Xi」との組み合わせです。
 スマートフォンは全体の契約比率からいうとまだこれからといった状況ですが、中堅中小企業が大きく伸びています。その要因として、クラウドサービスの導入のしやすさがあります。
 クラウドサービスでは自社でサーバーを持つ必要がないため、「設備の構築費・管理費が発生しない」「月額数百円から始められる」「契約すればすぐに使える」ものが多く、今まで自社システムを持っていなかった企業に受け入れられています。
 ドコモでもモバイルグループウェア、スマートフォン遠隔制御サービスなど1IDから導入可能なクラウドサービスを提供しています。
 また、業種業態に合わせたソリューションなど、お客様やメーカー様と連携した開発もしており、最近では金融や医療、製薬などを中心にタブレットを業務改善のツールとして活用するケースが目立っています。特に金融業界では急速に動いており、地方銀行は北海道から九州までタブレットの導入が進んでいます。

眞藤 務氏
(しんどう・つとむ)
1978年3月東北大学法学部卒業、同年4月日本電信電話公社入社。1991年7月同移動体通信事業本部企画部担当課長。93年10月NTT移動通信網経営企画部担当部長。99年7月東日本電信電話法人営業本部企画担当部長。2002年7月NTTドコモ法人営業本部法人営業企画部長。07年6月同執行役員第一法人営業部長。2011年6月取締役常務執行役員法人事業部長。2012年5月取締役常務執行役員法人事業部長法人ビジネス戦略部長兼務東北復興新生支援室長兼務、現在に至る

ここに来て企業の間でタブレットが浸透しているのはなぜですか。

眞藤 デフレによる不況や震災の影響もあり、この2年ほど企業のコスト意識が非常に高まっています。業務を改善する、というと難しく聞こえるかもしれませんが、会議資料を電子化しペーパーレスで実施するだけでも、印刷費用分のコストが下がります。
 また、クラウド上に業務データを格納しておくことでいつでもどこでも参照することが可能になれば、お客様先でのご要望に対応するために会社に戻って資料を探すといった必要がなくなり、営業日報を外出先で書いてしまうことも可能になります。
 そこで、既存の業務フローを見直して業務効率を高めるためにタブレットをお使いいただく提案に力を入れています。結果として、業務効率を高めることでコスト削減を実現することが可能です。最近では、売上の向上や自社サービスを提供するためのツールとして、タブレットを活用するケースも出始めています。

使い勝手を追求する

タブレットは、フィーチャーフォンと比べて導入費用や月額利用料金が上がるため、アプリケーションと組み合わせていかに具体的な効果を示せるかが提案の鍵になります。

眞藤 我々はソリューションを提案する際に、従来は「こうすれば業務が楽になりますよ」と押し付けに近いところがありました。しかも頭で考えるだけで利用する方の感性が抜けているせいか、入れていただいても使いづらかったり、成果もはっきりしないことがありました。
 あまり知られていないのですが、当社では毎年1000件以上のソリューションを提案しています。失敗も少なくありませんが、それらも含めてこれまでの経験は貴重な財産になっています。
 こうした経験を踏まえて、最近ではソリューションの使い勝手も格段に向上してきました。お客様も試験的に導入することで、ご自分の会社に合った使い方を発見されることが多く、我々がそのお手伝いをすることで最終的に使い勝手のよいソリューションに改善することができます。

ソリューションの決め手は使い勝手のよさというわけですね。

眞藤 その通りです。少し前に話題になった四国のいろどり様の事例で利用しているアプリケーションは、ご高齢の方でも使いやすいように、7インチの画面にボタンが3つしかありません。シンプルで使いやすく、売上アップにも貢献するという意味で、ソリューションの究極の姿と言えます。
 我々はともすれば「高級幕の内弁当」を薦めがちですが、お客様は「里芋の煮っ転がし」を食べたいこともあるわけで、そこは我々が改善すべき点です。
 実は、東北復興新生支援室長として東北地方の復興に関わらせていただいたことが、こうした課題に気づくきっかけになりました。
 東北復興新生支援室は若手を中心とした18人の小さな部署ですが、メンバーはほとんど東北に行ったままで、現地では農業や漁業に従事している方々と生活を共にしています。コミュニケーションを密にすることで、本当のニーズをつかむことができます。
 法人も同様で、タブレットの導入を機に長いお付き合いにするためには、お客様に喜んで使っていただける環境作りが必要です。そのために、今後は「自前主義」による「押し付け」をやめる方針です。

(聞き手・土谷宜弘)
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