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Interviewインタビュー

2013年11月号

220Mbpsで業界最速に返り咲く
TD-LTE互換で広がる事業の可能性

野坂章雄氏

野坂章雄氏
(のざか・あきお)
2000年10月KDDIアメリカ上級副社長、05年4月ブロードバンドコンシューマ事業企画本部長、07年4月KDDI中国総代表、09年10月KDDI理事、2010年6月UQコミュニケーションズ代表取締役社長に就任、2013年4月KDDI執行役員兼UQコミュニケーションズ代表取締役社長、現在に至る。1956年3月29日生まれ

UQコミュニケーションズ
代表取締役社長
野坂章雄氏

UQコミュニケーションズは10月31日、新たに割当を受けた2.5GHz帯の20MHz幅で、TD-LTEと互換性を持つ新規格「WiMAX R2.1AE」を採用したデータ通信サービス「WiMAX 2+」を開始する。2014年には、業界最速となる220Mbpsへの高速化を実現する計画だ。野坂社長は「これにより圧倒的な競争力を実現できる」と意気込む。

7月29日に割当を受けた2.5GHz帯を利用した下り最大110Mbpsのデータ通信サービス「WiMAX 2+」が10月末にスタートします。今回の帯域の獲得、新サービスの導入は、UQコミュニケーションズ(以下、UQ)にとってどのような意味を持つのですか。

野坂 一番大きいのは、ライバルの携帯電話事業者より格段に高速なモバイルデータ通信を我々が提供できるようになることだと思います。当社は、4年前に当時国内最速となる下り最大40Mbpsの高速データ通信をWiMAXで提供し、モバイルインターネットの新たな市場を切り拓いてきました。
 その後、携帯電話事業者がLTEを導入し、下り最大75Mbpsや100 Mbpsの高速サービスを提供されるようになってきました。私どものサービスは、「ノーリミット」──使い放題の料金プランによる使いやすさでお客様の支持をいただいていて、現状ではさほど大きな影響は受けていません。しかし、今後も多くのお客様にお使いいただくには、より高速なサービスの提供が不可欠です。WiMAX 2+の導入により、UQは当面、国内最高速のサービスを提供し続けることができると考えています。
 加えて、当社のお客様は427万まで増えていて、例えば東京の渋谷や秋葉原など一部の地域では速度が出難くなっています。WiMAX 2+の導入で、すでにWiMAXをお使いのお客様も含め、これらの地域で快適にお使いいただけるようになることも重要です。

どの程度の高速化を計画していますか。

野坂 まず2014年に、当初の下り最大110Mbpsを220Mbpsにします。さらに、WiMAXで使っている帯域にもWiMAX 2+を導入して高速化を図り、2017年には1Gbpsを超えるサービスを実現したいと考えています。

2.5GHz帯の割当をUQと争ったWireless City Planning(WCP)を傘下に持つソフトバンクは、7月の割当決定に際し、審査過程が不透明だと総務省に猛烈に抗議しました。9月13日にはWCPが総務省に異議申し立てを行い、10月9日に電波監理審議会が異議申し立てを審理することを決めています。事業やサービスに影響する懸念はないのでしょうか。

野坂 他社がなさることにコメントする立場にはないのですが、今回の割当は、私どものWiMAXでの実績や技術力などを総合的に評価されたものだと考えております。事業への影響は、一切ないと思います。

WiMAXとTD-LTEを融合

WiMAX 2+に使われるWiMAX R(Release)2.1AEとはどのような規格ですか。

野坂 WiMAX R2.1はWiMAX/WiMAX2と同じTDDを用いる携帯電話規格のTD-LTEを融合させてよりよいものを作ろうという目的から、昨年11月にWiMAXフォーラムで採択されました。
 これは、(1)既存のWiMAX(IEEE 802.16e)と、(2)その高度化システムのWiMAX 2(IEEE802.16m)、そして(3)3GPPで標準化されたTD-LTEの規格から電話の付加機能などを省いた基本仕様WiMAX R2.1AE (Additional Elements)の3つのモードで構成されていて、事業者はその中から必要なものを選択して実装するようになっています。我々の今後のサービスは、(1)の16eと(3)のAEを組み合わせたデュアルシステムを用いて提供します。WiMAXを運用している世界の事業者の大半は、次世代にこの組み合わせを使われるのではないでしょうか。

WiMAX R2.1AEの利点はどのようなところにありますか。

(聞き手・土谷宜弘)
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