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Interviewインタビュー

2015年8月号

NTTグループの海外戦略の牽引役に
世界でグローバルプレイヤーと対峙

庄司哲也氏

庄司哲也氏
(しょうじ・てつや)
1977年3月東京大学経済学部卒業。同年4月日本電信電話公社入社。2005年7月西日本電信電話人事部長。06年6月同取締役人事部長。09年6月日本電信電話取締役総務部門長、総務部門内部統制室長兼務。12年6月NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長。15年6月NTTコミュニケーションズ代表取締役社長(現職)

NTTコミュニケーションズ
代表取締役社長
庄司 哲也 氏

2011年10月に「Global Cloud Vision」を発表して以降、NTTコミュニケーションズはクラウドサービスを中心にグローバル事業の強化を戦略的に進めてきた。世界市場にはグーグルやアマゾンなど強力なライバルがひしめいている。6月に就任した庄司哲也社長は「世界のマーケットでNTTコムのサービスが使われ、それを支える人材がいることを示していきたい」と飛躍への抱負を語る。

2012年に持株からNTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)の副社長に着任してから3年間、主に法人営業を中心にNTTコムの事業を推進しました。これから社長として、何をミッションとしていきますか。

庄司 3年前は「Global Cloud Vision」を実現するという新たな流れの中で、「グローバル」と「クラウド」という新しいキーワードを営業の中で根付かせようとしている時期でした。ちょうど日本でもクラウドが普及し始めたタイミングと重なり、我々NTTコムがそうしたサービスをグローバルに展開できることをお客様に率先してご紹介できたことは、営業の責任者としてとても幸せだったと思っています。
 有馬(彰・前社長)は15年度にクラウド事業で「売上高2000億円」という目標を掲げました。私は、この事業をNTTコムの飛躍への基軸事業として位置づけ、その数字をさらに伸ばしていくことがミッションだと認識していますし、実際まだまだ伸びる可能性があると実感しています。

NTTコムがNTTグループで果たす役割についてはどう考えていますか。

庄司 グループの中でグローバルにクラウドサービスを展開できる力とフォーメーションを持っているのは、NTTコムだけです。上位レイヤのNTTデータ、グローバルにシステムインテグレーション(SI)を手がけるディメンションデータとお互いの強みを組み合わせて、クラウドサービスを中心にグループ全体の海外売上高を伸ばしていく牽引役にならなくてはいけないと考えています。
 クラウドサービスの基盤拠点数は、今年度末で世界13カ国/地域・16拠点に達する予定であり、NTTグループをグローバルで支えるだけの事業基盤はできあがっていると自負しています。

どのキャリアもそうですが、国内通信事業は音声通話収入の減少に歯止めがかからず、海外事業や新規事業を伸ばすしか成長の方法がないというのが実情です。

庄司 国内収益のトレンドを見ると、成長する要素があまりないことは否定できません。とはいえ、我々としては新規顧客の掘り起こしも含めて努力しなければならない分野がまだあると見ています。
 コスト構造の効率化を課題にしていますが決して後ろ向きな話ではなく、もっと効果的なネットワークに変えつつ国内の収益基盤を盤石にし、そこから上がる利益はクラウドサービスをグローバルに拡充するための原資にして必要なM&Aを積極的に行っていこうとしています。

提案営業を強化する法人体制に

海外事業の主軸となるGlobal Cloud Visionは今後、どういう方向に進めるのでしょうか。

庄司 日系企業が進出しているマーケットに日本国内と同じような高い品質のICT環境を構築してほしいというご要望にお応えするため、APACに続いて今後は欧米市場を開拓しようとしています。
 クラウド化を契機に企業のICT環境をグローバルに最適化する「シームレスICTソリューション」を掲げています。導入実績は増えており、業界ごとの基本パターンができあがってきました。また、世界共通のICT運用管理についてはさらに強化していきたいと考えています。
 これらのICTソリューションは、企業の経営改革につながることを我々が自信をもってアピールできる段階まで来ており、今後は日系企業の事業拡大のサポートのみならず、「フォーチュン500」にリストアップされるような北米や欧州のグローバル企業のお手伝いもしていきたいという意気込みを持っています。

「売上高2000億円」に続く、16年度以降のGlobal Cloud Visionの新たな目標設定はどうなりますか。

庄司 米国のクラウド市場を見ると、国内と比べて2〜3年進んでいるように感じています。今後、米国市場のトレンドと同じように国内も成長すれば、年率数%にとどまらないペースでクラウドへの移行が進むはずで、非常に可能性を持った領域です。
 「中期ビジョン」については現在検討しているところで、具体的なサービス計画も含めて、秋に開催される弊社主催のイベント「NTT Communications Forum 2015」で、その骨格を発表する予定です。

日本企業でもクラウドを導入するかどうか悩む段階から、いかにクラウド活用を進めるかという段階に入っているのではないかと思います。

(聞き手・土谷宜弘)
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