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Interviewインタビュー

2015年11月号

電力参入で光ユーザーを守る
MVNOはIoTでさらなる成長へ

藤野隆雄氏

藤野隆雄氏
(ふじの・たかお)
1973年3月大阪大学大学院工学研究科通信工学専攻修士課程修了。同年4月関西電力入社。95年6月研究開発室研究開発副部長。98年6月情報通信室通信システム部長。2003年6月支配人経営改革・IT本部副本部長。06年6月執行役員。07年6月常務取締役経営改革・IT本部長。09年6月ケイ・オプティコム代表取締役社長就任(現在に至る)

ケイ・オプティコム
代表取締役社長
藤野隆雄 氏

FTTHサービスにおいて、自前の設備と低廉な料金でNTTを相手に健闘してきたケイ・オプティコム。昨年6月に参入したMVNO事業では、国内初の「マルチキャリア対応」で加入者を伸ばしている。「MVNOに参入した以上、IoT/M2Mも手掛けなければさらなる成長は望めない」と藤野隆雄社長は事業拡大に意欲を燃やす。

2014年6月にKDDI(au)回線を利用する初のMVNOとしてサービスを開始した「mineo(マイネオ)」が、この9月で加入件数10万件を突破しました。外部機関による顧客満足度調査でも高い評価を獲得しています。まず、MVNO事業に参入した経緯からお聞かせください。

藤野 当社は、光ファイバーを使ってインターネットサービスや電話、テレビなど情報通信インフラを提供しています。しかし、「真の意味での総合通信キャリアを標榜するには、モバイルなくしてはありえない」という考えを長年持ち続けていました。
 電波は有限であるだけに我々が割当を受けて事業を展開することは難しいだろうとあきらめていたのですが、ネットワークを通信キャリアから借り受けて事業を行うMVNOが日本でも本格化してきたことから、1年以上かけて検討した上で参入を決めました。

大半のMVNOサービスがNTTドコモのネットワークを使用している中で、mineoはKDDIのネットワークを利用している点が大きな違いです。接続料がドコモと比べると高いにもかかわらず、KDDIを選択したのはなぜですか。

藤野 KDDIとは、auスマートフォンと固定通信サービスのセット割「auスマートバリュー」で協業関係にありますから、我々がKDDIのネットワークを採用したのも不思議ではないかもしれません。しかし参入にあたっては、KDDIだけでなくドコモも検討の俎上に上っていました。
 最終的にKDDIのネットワークに決めた一番の理由は、すでにドコモの回線を使ってサービスを展開している事業者が数多くいる中で、我々も同じようにドコモを選べば埋没してしまうと考えたからです。当時はKDDIのネットワークを使ったMVNOサービスがまだなく、“ブルー・オーシャン戦略”により差別化を図ることにしました。

ドコモ回線対応で復調

この9月からはドコモのネットワークにも対応しましたが、どのような経緯からですか。

藤野 複数キャリアのネットワークに対応した「マルチキャリアMVNO」は当初からイメージとして持っていました。
 mineoは「必要なものを、必要なだけ」をコンセプトに、データ通信・音声通話・端末の中から、必要な機能を自由にお選びいただけるサービスを提供してきました。サービス開始から約1年が経ち軌道に乗ってきたタイミングで、お客様の選択肢を広げ、より自由にお使いいただけるようにとドコモのネットワークも導入することにしました。

ドコモ回線プランを提供してみて、手応えはいかがですか。

藤野 申込受付を開始した9月の月間契約数は至近の月の約5倍の3万件となり、非常に手応えを感じています。

ドコモのネットワークに対する信頼性が支持されているのでしょうか。

藤野 もちろんそれもありますが、新プランの提供開始に合わせて、mineoを新規契約されたお客様向けに6カ月間、月額基本料金から800円を割引するキャンペーンを展開したことも奏功しました。800円という金額は、データ通信のみの「シングルプラン」の1GB分に相当し、月額1580円の5GBを申し込んだ場合でも1GBとほぼ同額の780円で5GB分が利用できる計算になります。
 最低利用期間の撤廃やこうしたキャンペーンにより、今までMVNO導入をためらっていた方々の加入障壁が下がり、多くのお客様にお申し込みいただけているのではないかと考えています。
 また、7月から実際にサービスを体験できる「mineoアンテナショップ」をJR大阪駅前のグランフロント大阪に出店しています。お客様からは「サービス内容がよく理解できた」「端末に実際に触れることができてよかった」といった声が寄せられており、大変好評です。今冬を目途に、端末およびSIMの販売やMNP手続き、アクセサリーの取り扱いなどについて調整しています。
 11月には、ドコモプランおよびauプランのいずれでも利用できるマルチキャリア対応スマートフォン「arrows M02」(富士通製)など、マルチキャリアならではの魅力を活かした製品を発売します。

法人向けのIoT/M2M分野のMVNOが注目を集めていますが、御社では手掛ける予定はありますか。

(聞き手・土谷宜弘)
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