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Interviewインタビュー

2013年6月号

ITとNWの統合進める新体制発足
通信系販売店の“IT化”を支援する

庄司信一氏

庄司信一氏
(しょうじ・しんいち)
1977年3月慶応大学工学部卒業、同年4月に日本電気入社。2003年6月第二コンピュータ事業本部応用ワークステーション事業部長、07年4月第二コンピュータ事業本部副事業本部長、08年10月第二コンピュータ事業本部事業本部長、09年4月サーバ・ワークステーション事業本部長。10年4月NECインフロンティア取締役常務、同年6月同社代表取締役社長。12年4月日本電気執行役員、13年4月執行役員常務(現職)

NEC
執行役員常務
庄司信一氏

NECの企業向け製品・サービスをすべて統合し、一括提供するための新体制が発足した。合わせて、IT/ネットワークを融合させた垂直統合型製品を発表。新組織、システムプラットフォームBUを統括する庄司信一執行役員常務に狙いを聞いた。

4月から企業向け事業の新組織が発足しました。新たに組織されたシステムプラットフォームビジネスユニット(BU)の役割と、企業向け事業の新体制について教えてください。

庄司 端末からネットワーク、ストレージ、サーバー、クラウドサービスまで、企業向け市場を対象としたプロダクトとサービスを提供するすべての部門を「システムプラットフォームBU」に統合しました。
 昨年度までの「プラットフォームBU」も、サーバー/ストレージ、ネットワークまで一気通貫で提供してきましたが、さらに、他部門に所属していた業務用PCやタブレット、車載端末といったデバイスも、データセンターサービスも集結してできたのが新BUです。お客様にICTプラットフォーム全体を一括で提供する体制が整いました。

リソースをすべて統合することで、NECのBtoB事業をどのように変えていこうとしているのですか。

庄司 そもそも、ICT投資に対するお客様の考え方が変わっています。従来は、ITとネットワーク機器は別々の予算で、各担当者が一定の年数ごとに更改してきました。我々のビジネスもそれで十分に成り立ってきたのです。
 しかし昨今は、新しいICTシステムを導入したら企業価値がどう変わるのか、という観点で投資が検討されます。情報システム部門だけではなく業務系・営業系の責任者も含めて、どのくらい効率化されるのか、新しい価値が生み出されるのかという判断がなされます。必要とされているのは、サーバーやネットワーク機器といった単体の製品ではなく、経営課題を解決してくれるソリューションなのです。これは、大企業でも中小企業でも変わりません。
 我々も、そして販売パートナーも、それに応える商品と提供体制が必要です。その最初のステップとして、垂直統合型システム「NEC Solution Platforms」をリリースしました。お客様の用途ごとに、ITもネットワークも含めて、ハードウェアとソフトウェア、サービスを一体型で提供するもので、ICTプラットフォームの構築期間や導入コストを大幅に削減できます。特定業種・業務向けのアプリケーションを組み込んだモデルも用意しており、「ソリューション型プラットフォーム」として提供することで、効率化や省力化に加えて、さらなる付加価値を生み出していきたいと考えています。

垂直統合をNEC流で

ICT基盤をレディメイド型で提供する垂直統合型製品は、昨今のトレンドといえます。他社との違いをどのように出していきますか。

庄司 NEC Solution Platformsは大きく、データ蓄積・解析基盤である「Data Platform Suite」、業種・業務向けアプリケーション基盤「Application Platform Suite」、そしてクラウドサービス基盤「Cloud Platform Suite」の3つに分けられます。このうち、Application Platform Suiteは業種・業務アプリケーションを利用するための環境を、サーバーからネットワーク、端末まで最適化して一体型で提供するものです。
 このラインナップをどのように充実させていくかで特徴が打ち出せると考えています。我々の強みが出せる業務パッケージアプリケーションモデルでなければ意味がありません。
 発表時のラインナップには、IP-PBXとホテル向け業務パッケージを組み込んだモデルを用意しましたが、これも、当社がホテル業界やIP-PBX市場で高いシェアを持っているからです。NECが強みを持つ業種・業務、価値を出せるアプリケーションに絞り、今後もラインナップを広げていきます。こうした方向性は他社にはないものだと思っています。
 もう1つ、NECだけでなく、パートナーのアプリケーションや製品、技術を組み込んだモデルも用意します。国内に約550社の販売パートナーがあり、競争力の高い豊富な業務パッケージを持っています。それらに最適化したプラットフォーム製品も提供していく考えで、パートナー向けの共同開発、製品化を支援する体制も準備しています。このような、自社製品による囲い込みではないオープン性も他社にない特徴です。

垂直統合型製品の案件が増えれば、従来型のSIビジネスの縮小を招くことにはなりませんか。

(聞き手・土谷宜弘)
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