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Interviewインタビュー

2013年7月号

ハイブリッド路線でPBX好調
UC本格化へソリューション強化

青山健一氏

青山健一氏
(あおやま・けんいち)
1982年3月東京大学工学部電子工学科卒業、同年4月日立製作所入社。94年8月情報通信事業部企業通信本部ネットワーク部移動体グループ主任技師、2001年4月システムソリューショングループ・ネットワークプラットフォーム事業部企画部部長。09年10月情報・通信システム社ネットワークソリューション事業部ネットワークシステム本部担当本部長、11年4月同本部・本部長、12年4月情報・通信システム社通信ネットワーク事業部ネットワークソリューション第三本部本部長。13年4月情報・通信システム社通信ネットワーク事業部統括事業主管(現在に至る)

日立製作所 情報・通信システム社
通信ネットワーク事業部 統括事業主管
青山健一氏

昨年発売のPBX「CX-01」が好調な日立製作所。今年5月にはビジネスホン新製品「integral-F」も発売し回復基調の企業電話システム市場で攻勢をかける。通信ネットワーク事業部・統括事業主管の青山健一氏にUC時代の到来を睨んだ今後の事業方針と製品・販売戦略を聞いた。

5月16日に「2015 中期経営計画」を発表しました。通信ネットワーク事業の重点は何でしょうか。

青山 グローバルメジャープレイヤーを目指した変革を行っていく、というのが大きな方向性です。我々通信ネットワーク事業部も、単に商品をグローバルに売るというだけではなく、成長しつつ売上を伸ばし、利益率の高いビジネスを展開していくことがミッションです。
 そうした観点で事業部そのものを変えていこうとしています。
 具体的には、モバイルやクラウド、データセンター、SDN(Software Defined Networking)といった成長分野に関連するビジネスを強化していきます。
 そのために、製品やサービスのポートフォリオの変更も進めます。また、社会インフラ事業も日立の強みの1つですから、それと融合したスマートメーターやスマートシティといった分野にも注力します。

通信ネットワーク事業部は2012年4月に体制を再編しました。一年経って、手応えはいかがでしょうか。

青山 製品事業を中心としてきた戸塚(横浜市)の通信ネットワーク事業部と、複数の製品・サービスを組み合わせたソリューションを提供する新川崎のネットワークソリューション事業部を一体化しました。この組織再編の一番の狙いは、お客様の声やフロントにおける“気付き”を製品にフィードバックし、グローバルに戦える強い製品、ソリューションを作ることでした。
 通信機器の開発と、ソリューションを提供する2部門が統合されたことによって、企業ネットワークに関わるものは、IPネットワークも音声系も映像系もすべてワンストップで任せていただける体制になりました。通信事業者向けも同様で、固定系と移動系それぞれのネットワークインフラ構築も、顧客管理や課金システムといったサーバーシステムの構築も新事業本部が担います。
 ネットワークに関するものは業種に関わらずワンストップで提供できる体制が整いました。
 手応えとしては、去年から今年にかけて大きな引き合いが増えて、成長している実感があります。キャリア向け事業はモバイルトラフィックの急増を背景にインフラの設備投資が増えていますし、企業向けもネットワークやデータセンター更改の案件が増えています。

キャリアも企業もニーズが変化

キャリア向け事業の現状と見通しについて教えてください。

青山 スマートフォンのトラフィックが急増している携帯キャリアはもちろんですが、固定網にもモバイルのトラフィックが流入しており、固定系キャリアも基幹ネットワークの増強を続けています。

キャリアのインフラの増強が急務ですが、同時に、上位レイヤサービスによる収益創造も課題です。

青山 その通りです。キャリアの方向性として新たな収益源を求められているようであり、それを一緒に検討できるベンダーこそが選ばれます。設備の増強に加えて、新たなビジネスを生み出すためのサーバー系システムや、収益性を高めるためのトラフィックマネジメントなど、付加価値の高い提案を行う機会は確実に増えています。

他方、企業のICT投資については、スマートフォンやクラウドといった新技術の普及、それから事業継続対策やグローバル化といった経営環境の変化によって、ニーズが大きく変わっています。以前のように、コストの安さ一辺倒の考えから、企業競争力を強化するためには必要な投資を積極的に行おうという機運が高まっていますが、通信ネットワーク分野においては、ニーズの変化をどのように捉えていますか。

(聞き手・土谷宜弘)
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