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Interviewインタビュー

2014年2月号

フレッツ光は法人シフトを加速
新たなビジネスモデル開発に挑戦

山村雅之氏

山村雅之氏
(やまむら・まさゆき)
1978年3月東京工業大学大学院理工学研究科電気工学専攻修士課程修了、同年4月日本電信電話公社入社。2005年5月日本電信電話株式会社中期経営戦略推進室担当部長。同年6月東日本電信電話株式会社取締役東京支店長ビジネスユーザ事業推進本部副部長兼務。08年6月同常務取締役東京支店長。09年6月同常務取締役ネットワーク事業推進本部長ネットワーク事業推進本部設備部長兼務ネットワーク事業推進本部研究開発センタ所長兼務ネットワーク事業推進本部企画部長兼務。2012年6月同代表取締役社長(現職)

NTT東日本
代表取締役社長
山村 雅之 氏

NTT東日本は2013年10月、かねてより目標としていた「フレッツ光契約1000万」を達成した。コンシューマー市場の成長が鈍化するなか、中堅・中小、SOHOを中心に法人市場へのシフトを進めている。今年は、新たなビジネスモデルの開発に向けたビジネス開発本部の挑戦も本格化する。山村社長は「通信とSIに次ぐ『第3の収益源』を作り上げたい」と意気込む。

2013年は「フレッツ光」の契約数1000万突破が大きなトピックでした。

山村 1つの節目である「光1000万契約」を早期に達成し、次のステップに向かおうと考えていました。とはいえ、2011年頃からモバイルの浸透と競争の激化もあって加入者の伸びが鈍化してきたので、2012年3月の「にねん割」に続き12月に「思いっきり割」と大胆な料金プランや新規加入促進キャンペーンを相次いで展開してきました。その結果、販売面はもちろん、2013年に入ってからは既存のお客様の「解約」抑制にも徐々に効果が現れ、目標を達成できたことで非常に意義のある年だったと思います。

2013年度中間決算は「減収増益」でした。割引キャンペーンは契約数の増加に貢献していますが、同時に減収要因にもなっています。

山村 確かに光の販売増や解約抑制に効果が現れている一方、収益は減少しています。今年度は中間期以降、割引施策による減収が大幅に利いてくることはもともと想定していました。上期は160億円の増益だったにもかかわらず、通期業績予想を昨年と同じ650億円に据え置いたのもそのためです。
 収益構造の内訳を見ると、音声伝送収入の減少率は縮小していますが、割引施策の影響でIP関連収入の増加率も縮小しています。そうした中で増益を達成できたのは、コストコントロールをやりきったからです。フレッツ光の提供エリアが2013年度末に99%と基盤がほぼ完成したことで、設備投資額もピーク時の4600億円から今年度は3500億円まで抑えています。併せて、営業の効率化の取り組みもだいぶ定着してきたため、収入の落ち込みをカバーし、収益を確保することができたと考えています。
 ここ数年は「音声とIPで収益をプラスに」を合言葉にしてきましたが、音声通話が減少し、IPも割引施策の導入により、基本料金だけで収益を拡大することは厳しいと言わざるをえません。かといって、コスト削減にも限界があります。フレッツ光における付加価値サービスなど新たな取り組みでARPUの向上を図るとともに、社長就任時にお話したように、通信収入とSI収入以外の「第3の収益源」を早期に作り上げることが必要で、昨年来さまざまなことにチャレンジしています。

利用シーンを提案する販売へ

市場環境としては大変厳しい中で、新たな施策として法人市場でもとりわけリーチしきれていなかった中堅中小企業・SOHO市場への取り組みを強化していますね。

山村 この市場は光の契約がまだ半分程度にとどまっており、今後の成長が期待できます。
 ただ、中小やSOHOでは電話とFAXだけで仕事をしている企業も多く、フレッツ光の基本料金は割高感があるので、ファミリータイプで月額2940円からの2段階定額制「フレッツ 光ライト」の提供を開始しました。それでも「まだ高い」という声が寄せられたため、昨年10月から「フレッツ 光ライト」も「思いっきり割」の対象サービスに追加して価格訴求力を高めています。

2013年度は中堅中小市場における競争が激しくなった年でした。その中でNTT東日本はIT関連の困りごとに対応する「オフィスまるごとサポート」を中堅中小企業・SOHO向けに営業強化していますが、加入状況はどうなっていますか。

(聞き手・土谷宜弘)
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