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Interviewインタビュー

2014年3月号

実利用進める局面に入ったSDN
企業への浸透とNFVにも取り組む

浅羽登志也氏

浅羽登志也氏
(あさば・としや)
1989年に京都大学大学院工学研究科 博士前期課程終了後、リクルート入社。スーパーコンピュータ研究所にてPACCOMやWIDEとの対外接続を担当。92年9月、閉所に伴い退社し、12月インターネットイニシアティブ(IIJ)の設立とともに入社。98年よりクロスウェイブコミュニケーションズ執行役員を兼務、99年取締役、2004年取締役副社長に就任し、技術開発部門を統括。08年にIIJイノベーションインスティテュートを設立、同代表取締役社長を兼務。09年IIJ副社長を退任。12年4月に、ストラトスフィアの代表取締役社長に就任

ストラトスフィア
代表取締役社長
浅羽 登志也 氏

通信業界に革新をもたらすと言われるSDN──。2013年度はキャリア網へのSDN適用がスタートした。企業向け製品も複数のベンダーから提供が始まり、実利用がいよいよ進もうとしている。SDNに先行して取り組むストラトスフィアの浅羽登志也氏に展望を聞いた。

2013年はSDN(Software-Defined Networking)を適用する領域が大きく広がる可能性が示されたと思います。これまではデータセンター(DC)が主流でしたが、通信キャリアや企業向けの製品も登場するなど、ベンダー各社の取り組みも進んでいます。改めてSDNの意義と、通信・ネットワーク業界への影響を教えてください。

浅羽 SDNには2つ大きなポイントがあります。
 通信・ネットワーク機器はこれまで、ハードウェアとOS、アプリケーションが一体型で提供されてきました。SDNによって、ハードウェアと、それを制御するOS、アプリが分離可能になり、それぞれにおいて競争していく環境が生まれようとしています。かつてのコンピュータ業界と同じ変化が通信・ネットワークにも起こりつつあるというのが、SDNの1つの側面です。
 まだ移行しきってはいませんが、そうなるためのお膳立てはできつつあるというのが、現在の状況です。

業界全体の流れとして、従来型のネットワークをSDN化していくための構造ができたといえるでしょうか。

浅羽 そう思います。
 SDNは、パケット転送を行うデータプレーンと、「SDNコントローラ」と呼ばれるコントロールプレーンで構成されます(図表参照)。この分離を実現するには、SDNコントローラがデータプレーンを制御するためのインターフェース「サウスバウンドAPI」が整備されなければなりません。
 この標準プロトコルの1つであるOpenFlowについては、安定化バージョンと言われているバージョン1.3、および2013年10月にリリースされた1.4をサポートする方針をメーカー各社が明確にしています。かなり整備が進んでいると言えるでしょう。

焦点は制御プレーンにシフト

通信・ネットワーク業界がSDNに取り組む背景として、ネットワークも含めたコンピューティングリソース全体を仮想化し、より柔軟に配置、利用できるようにしたいという要請が強まったこともあります。

浅羽 その通りです。サーバー等と同様にネットワークも仮想化し、ハードとソフトを分離することで、システム全体が特定のハードに縛られることなく動かせるようになります。これが、SDNが目指す方向性です。
 現在のクラウドは、1カ所のDCにあるサーバーやストレージのリソースをネットワーク経由で利用するというのが主流です。しかし今後は、分散配置されたコンピューティングリソース全体を、ユーザーがニーズに応じて柔軟に組み合わせて利用するような形態に変わっていくでしょう。SDNは、その全体をソフトウェアで制御しようというもので、より柔軟なクラウドを実現するための取り組みとして期待されています。

通信キャリアのネットワークインフラ設備を提供してきたベンダーのビジネスも大きな影響を受けますね。

浅羽 最近ではこうした、インフラ全体をソフトウェアで制御するというコンセプトを打ち出すベンダーも増えてきました。

キャリアや一般企業等のユーザーにはどのような影響がありますか。

(聞き手・土谷宜弘)
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