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Interviewインタビュー

2016年5月号

成長の牽引役スマートライフ事業
経済圏競争はパートナーと協創で

中山俊樹氏

中山俊樹氏
(なかやま・としき)
1981年3月東京大学法学部卒業。同年4月日本電信電話公社入社。97年7月日本電信電話株式会社国際本部担当課長。99年4月同持株会社移行本部第一部門担当部長。同年7月同第一部門担当部長。2002年6月同第五部門担当部長。07年6月エヌ・ティ・ティ・ドコモ取締役(非常勤)。08年6月日本電信電話新ビジネス推進室次長。11年6月同新ビジネス推進室長。15年6月エヌ・ティ・ティ・ドコモ取締役常務執行役員スマートライフビジネス本部長

NTTドコモ
取締役常務執行役員 スマートライフビジネス本部長
中山俊樹 氏

NTTドコモは、基軸のモバイル通信事業の回復に加えて、コンテンツ/ソリューション分野のスマートライフ事業が好調だ。「dマーケット」と「+d」を2本柱に収益を伸ばしているスマートライフ事業を統括する中山俊樹氏取締役常務執行役員は「営業利益1000億円を早期に達成したい」と意気込みを語る。

NTTドコモは新料金プランの浸透による業績回復が進んでいます。2012年以降、収益拡大を目指し手掛けてきた「スマートライフ事業」も途中で目標を引き上げるなど15年度は好業績でした。

中山 ドコモのビジネスは、大きく分けてモバイル通信事業と、スマートライフ事業や法人、国際、付帯サービスなどを含めた「スマートライフ領域」があります。
 スマートライフ領域の15年度の売上は8000億円を超える見込みです。営業利益も期初予想の500億円を中間決算で700億円に上方修正し、達成に向けて頑張っているところです。モバイル通信事業と比べると数字はまだ小さく、「車の両輪」にはなっていませんが、ようやくドコモの成長の牽引役の1つと呼べるまでにはなりつつあると見ています。
 モバイル通信事業の成長が鈍化し、将来的に大きな伸びが期待できない中で、利益を生み出す新たなドライバーとして業績に貢献することがスマートライフ事業に課せられた役割です。

この間、「新領域事業」育成戦略で種を蒔いてきたことがようやく実を結び始めているわけですね。将来的には、スマートライフ事業がドコモ全体の売上の何割程度を占めるまでになると考えていますか。

中山 数年前までは、「新領域(現在のスマートライフ領域)」の「売上1兆円」を早期に実現することを目標に掲げていました。しかし14年度以降は、「利益重視」の方針に転換しています。
 成長のドライバーとなるためにも、できるだけ早く営業利益を1000億円の大台に到達させることを当面の目標としていきたいと考えています。

地道にコンテンツを磨く

スマートライフ事業の中でも、スマートフォン向け月額定額制サービス「dマーケット」が好調のようです。

中山 スマートライフは、dマーケットを中心としたBtoC事業と、「+d」に代表されるBtoBtoC事業の2本柱で成り立っています。
 このうちdマーケットは、ドコモが自らコンテンツやサービスを開発し自社の販売ルートを通じて提供するもので、3月中旬に契約数が1500万を突破しました。また、優れたコンテンツをパッケージ化した「おすすめパック」と、セキュリティやケータイ補償などを組み合わせた「あんしんパック」の合計契約数は2000万を超えています。
 手前味噌になりますが、契約数が50万や100万の有料サービスは珍しくありませんが、1500万や2000万というのはめったにありません。そうした有料サービスが、きちんと利益を生み出しつつある段階に入ったといえると思います。

dマーケットの好調の要因はどこにありますか。

中山 dマーケットの中でも、約500万契約の「dTV」、300万契約の「dヒッツ」「dマガジン」の3つが牽引役となっています。
 ただ、映像系ではしばしば“黒船”に例えられるように、「Netflix」など海外のサービスが進出してきたことで、競争が激しくなっています。音楽系でも「AWA」や「LINE MUSIC」など新しい定額配信サービスが次々に登場しています。
 厳しい競争の中で我々のサービスがなんとか勝ち残ることができているのは、コンテンツに相当の投資をしていることが大きいと思います。
 例えばdTVは、月額500円(税抜)で洋画や邦画、ドラマ12万本が見放題になりますが、最近はアーティストの映像の生配信などライブ配信に力を入れています。また、映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の公開に合わせて「スター・ウォーズ エピソード1〜6」を期間限定で配信したところ、dTV開始以来の視聴数を獲得することができました。
 dマガジンも大手出版社の皆様は当初、コンテンツの提供を逡巡されていましたが、相乗効果でビジネスになることが明らかになったことで、提供媒体はスタート時の80誌から現在は160誌を超えています。人気週刊誌をすぐ読めるなど広い層から好評をいただいています。

移動通信キャリアはネットワークや端末が同質化して差別化が難しくなっており、コンテンツサービスを強化していますが、その中で特色を打ち出そうとしているわけですね。

(聞き手・土谷宜弘)
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