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Interviewインタビュー

2025年9月号

プライベート5Gの日本展開も視野
AI社会実装へ役割を果たす

ダニエル・ローソン 氏

ダニエル・ローソン 氏
(Daniel Lawson)
ベライゾン・ビジネス・グループ(VBG)のグローバルソリューションズ&インダストリアルIoT担当 上席副社長を務め、VBGのポートフォリオを構成する主要なテクノロジー分野とGTM戦略のリーダーシップを担当している。ベライゾン・ビジネスのソリューションアーキテクチャ担当バイスプレジデント、ネットワーク、アプリケーション&イノベーションチームのグローバル統括責任者などを歴任。金融、製造、ヘルスケアなど幅広い業種の民間企業・官公庁顧客を支援した実績を持つ

ベライゾン・ビジネスグループ
上席副社長 グローバルソリューションズ&
インダストリアルIoT担当
ダニエル・ローソン 氏

世界中の通信事業者が苦戦する5Gの収益化だがベライゾンのB2B事業を牽引するローソン氏は「非常に順調」と胸をはる。企業向けFWAやプライベート5Gに加えて、ネットワークスライシングの用途開拓も加速。エッジAIを主軸とする同社のAI戦略も含めて展望を聞いた。

ベライゾンのB2B事業において、5Gを活用したソリューション展開はどの程度進んでいますか。

ローソン B2Bの5Gソリューションビジネスは非常に順調です。これには、マクロ5G(公衆5G)ネットワークを利用するものだけでなく、プライベート5Gも含まれます。
 我々の5Gネットワークに接続するデバイスの種類は、センサーやカメラからロボット、ドローンへと急速に拡大しており、それが5G活用領域の広がりをもたらしました。製造、製薬、ヘルスケア、メディア/エンターテインメントと、考え得るすべての産業で5Gが使われています。

多くの通信事業者が5Gの収益化に苦労しています。ベライゾンが成果を挙げられている要因は、どこにあると考えますか。

ローソン 私たちの5Gマネタイズ戦略の要点はいくつか挙げられます。
 まず、5Gネットワークを大規模に展開するためには光ファイバー、タワー、無線、コアインフラ等への投資が不可欠です。そして、これらの資産を収益化する鍵が「接続の種類を増やす」ことです。
 ベライゾンはB2B顧客に対して、次の4つの領域でソリューションを提供しています。
 1つは、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチといった業務に不可欠なデバイスです。
 2つめは、固定ワイヤレスアクセス(Fixed Wireless Access:FWA)です。従来はワイヤレスアクセスはバックアップ回線としての利用が主でしたが、5G FWAによるブロードバンド接続は、広帯域性と可用性の観点からプライマリーアクセスとしても活用することができ、企業や政府機関は5Gを多くの用途に使うようになりました。そのため、FWAをSD-WANで構築する大企業向けのネットワークの基盤として利用するケースも増えています。
 この2つは、我々の地元である米国を中心としたビジネスです。一方、次の2つをグローバルに展開しています。「プライベート5G」と「IoT・インダストリアルIoT」です。

自動車業界でIoT事業が加速

企業や組織向けに専用の5Gネットワークを構築・運用するプライベート5Gの実績が、米国外でも伸びてきているということですね。

ローソン 欧州、そしてアジア太平洋地域で強烈な“引き”があります。
 私たちにとって最初のプライベート5Gの導入事例となったのが、英国のサウサンプトン港です。Associated British Ports(ABP)社は、英国の玄関口であるこの港湾をプライベート5Gネットワークによって変革しました。
 港湾全域で、高速かつ低遅延、信頼性の高いコネクティビティを数千人の従業員に対して提供するほか、車両の積み下ろしや最終顧客への引き渡しの際に税関へリアルタイムで情報を提供したり、車両の位置把握、港湾全体の状況監視にも役立てられています。
 また、カメラ映像を活用した安全管理や、ドローンを使ったメンテナンスにもプライベート5Gが使われています。このように、我々が約30年間で培ったセルラーネットワーク構築・運用のノウハウを、世界中のお客様とともに活用していこうとしています。
 4つめのIoTについては、特に自動車業界で実績が出てきています。
 多くのクルマと、カメラ等のデバイスがネットワークに接続されていくに連れて、車載コネクティビティの市場が大きく成長しています。我々のグローバルなパートナーシップを活用すれば、クルマを取り巻くIoT空間をグローバルに展開することができます。
 その好例が、ソニー・ホンダモビリティとの提携です。同社の電気自動車「AFEELA」にコネクテッドカー機能を搭載するために協業しました。これは、日本のKDDIとの提携に含まれます。

インダストリアルIoTは、プライベート5Gの有望市場でもありますね。

ローソン 自動車業界では、製造ラインや出荷前のオペレーションテスト等にプライベート5Gが使われています。ドイツの自動車メーカーは製造したクルマを米国に出荷する際、工場に敷設したプライベート5Gを使って接続テストを実施し、出荷後に公衆5Gネットワークに接続してコネクテッドサービスを展開しています。

日本国内でプライベート5Gを提供する計画はありますか。

(聞き手・坪田弘樹)
続きは本誌をご覧下さい

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