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Interviewインタビュー

2019年2月号

アジア主要都市で投資加速
「5G=光ファイバー」だ

英Colt Technology Services CEO
カール・グリブナー 氏

Coltテクノロジーサービス
代表取締役社長 アジアCCO 兼 アジア代表
日置 健二 氏

都市への“人口集中”が世界的に進展している。そうしたなか、日本・アジアの主要都市で、自前光ファイバーによるメトロネットワーク構築を加速させているのがColt(旧KVH)だ。ユニークな立ち位置で知られるグローバル通信事業者、Coltの戦略についてCEOのグリブナー氏と日本法人社長でアジア代表の日置氏に聞いた。

カール・グリブナー 氏

カール・グリブナー 氏
(Carl Grivner)
2016年1月、Coltの最高経営責任者(CEO)に就任。北中米をはじめ、欧州およびアジア地域で12年間にわたり複数の企業でCEO職を歴任。Coltに入社する直前の3年間は、アジア太平洋地域の大手通信事業者、PacnetでCEOを務めた。それ以前は米国の通信事業者XO Communications社のCEO、Cable & Wireless plc(Western Hemisphere)社の最高経営責任者、IBMの上級管理職などを務めている

日置 健二 氏

日置 健二 氏
(ひおき・けんじ)
2016年5月、Coltテクノロジーサービスの代表取締役社長、Coltグループのアジア代表に就任。トーメン(現豊田通商)にてキャリアをスタートし、その後、日本キャップジェミニ・アーンストヤング(現クニエ)やプライベート・エクイティ・ファンド。KVHとColtグループの統合以前に、KVHで国際事業本部長、営業本部長、人事本部長、最高執行責任者(COO)を歴任。2014年にKVHを退社後、IPsoft Japan社の代表取締役社長を約2年間務める。1991年、同志社大学法学部法律学科卒業。2001年、アリゾナ州立大学情報工学修士(MSIM)および経営学修士(MBA)を修了

Coltテクノロジーサービス(以下、Colt)について紹介していただけますか。

グリブナー Coltはロンドンの通信事業者として1992年に設立されました。創業時の社名はCity of London Telecommunicationsで、これを略して現在、Coltという社名になっているわけですね。
 Coltは当初、金融業界に対して、通信サービスを展開していました。しかしその後、我々の顧客は金融業界にとどまらず、あらゆる業界へ広がっています。
 また、他の通信事業者へのホールセール(卸売)も重要なビジネスになっています。
 サービスを展開するエリアについても拡大してきました。ロンドンから始まり、現在ではヨーロッパの主要な市場にまたがっており、さらに今ではアジア市場や北米市場にも展開しています。

Coltは、日本をベースに通信事業を展開していたKVHを2014年に買収・統合。これを機にアジア市場へ本格進出しましたが、そもそもColtとKVHは共にフィデリティ・インベストメンツを親会社に持つ兄弟会社でした。

グリブナー アジアの企業はヨーロッパに進出しており、ヨーロッパの企業はアジアに進出しているわけですから、アジアとヨーロッパの事業を統合するというのは、非常に理にかなったことでした。

日置 KVH時代は、日本でのビジネスが中心で、加えて香港やシンガポールへの長距離ネットワークも提供するという形でした。
 しかし、Coltとの統合により、グローバルで事業を展開されているお客様に対して、より高い付加価値を提供可能になりました。北米でもサービスをローンチしており、Colt1社の光ファイバーでお客様のビジネスを支えることができます。

北米では、いつからサービスを開始したのですか。

グリブナー 2018年6月にスタートしました。シアトル、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、トロントなど、北米の主要13都市を接続するネットワークをColt自身の設備で運営しています。

統合効果もあって、業績は堅調に伸びてそうですね。

グリブナー ええ、Coltのビジネスは大変好調です。
 新規顧客も順調に獲得できています。アジア地域(日本、香港、シンガポール、韓国)について言うと、現在の顧客数は2700社以上で、数年間で2割以上増加しました。
 新規顧客は、金融業界に限らず、幅広い業種から獲得できています。アジア、ヨーロッパ、そして北米にまたがってビジネスを行っているグローバル企業などが、我々の新たな顧客となっています。

日置 日本について言いますと、ご存知の通り、KVH時代は大半のお客様が金融業界でした。しかし現在は違います。
 実は先日、我々の現在のお客様のポートフォリオをきちんと見直してみたのですが、金融、エンタープライズ、そしてホールセール系のお客様がちょうど3分の1ずつくらいでした。
 金融のお客様がシュリンクしたわけではありません。Colt全体のパイが大きくなるにつれて、バランスが良くなったのです。

京都でもメトロNW開始

グリブナー氏は2016年1月にColtのCEOに就任されましたが、この3年間どのような取り組みに注力してきたのですか。

グリブナー 過去3年間において、我々は特にメトロエリアの光ファイバーに力を入れてきました。

主要都市の中心部をカバーするメトロネットワークを、自前の光ファイバーで構築していることが、Coltの大きな特徴です。

グリブナー 現在51以上の都市でメトロネットワークを構築しており、850以上のデータセンターおよび2万7500以上の商用ビルと直接接続しています。
 この3年間では、新たにシンガポール、香港などでメトロネットワークを構築し、日本でも5つの都市で展開しています。

KVH時代からの東京・大阪に加え、2017年に名古屋でもメトロネットワークが開通したことは知っていましたが、さらに2つの都市が加わったのですか。

(聞き手・太田智晴)
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