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Interviewインタビュー

2020年12月号

ニューノーマルもOKIには追い風
AIエッジ×5Gの社会実装進める

坪井正志氏

坪井正志 氏
(つぼい・まさし)
1983年3月慶應義塾大学工学部卒業、同年4月OKI入社、2014年10月ソリューション&サービス事業本部情報システム事業部長、15年4月執行役員、16年4月情報通信事業本部副本部長兼企業ソリューション事業部長、17年4月常務執行役員情報通信事業本部長、19年6月取締役常務執行役員、20年4月取締役専務執行役員ソリューションシステム事業本部長(現)

OKI 取締役専務執行役員
ソリューションシステム事業本部長
坪井正志 氏

過去3年、「社会インフラ×IoT」を掲げて事業を拡大してきたOKI。新たな「中期経営計画2022」では、そのベースの上にAIエッジと5Gを活用したソリューション展開によりさらなる成長を目指す。コロナ禍で重要さが増すDX化、ニューノーマルへの移行ニーズも追い風に、IoT/AIの社会実装を本格化させると坪井正志専務は意気込む。

2019年度はかなり好調でしたが、今期のこれまでの状況は。新型コロナの影響をどう見ていますか。

坪井 この4月に、従来の情報通信事業本部をベースとしたソリューションシステム事業本部と、ATMやプリンター、EMS事業を統合したコンポーネント&プラットフォーム事業本部の2つの事業本部による体制となりました。私が担当する前者がコトづくり、後者がモノづくりを担いつつ、両者を融合させていこうというのが基本方針です。
 前年度の情報通信事業本部は売上・利益ともに目標以上を達成し、良い状態で中期経営計画2019の3カ年を終えることができました。今期もネットワーク関連事業、公共関係ともに堅調です。民需もコロナの影響は一部に留まっており、上期は計画を若干上回っています。ただし、下期に影響が拡大する懸念は依然としてあります。
 コロナの影響として一番に感じるのは、やはりDX(デジタルトランスフォーメーション)に対するお客様の期待です。
 DXという言葉は数年前からありました。当時はIoTやロボット、AIなどの新技術を活かそうという要素が強かったのですが、今は“ニューノーマル”にどう適用するのかがテーマになっています。個人生活も産業も大きく変化するなかで、それに対応するにはDXが必要です。この期待にしっかりと対応することで、新しいオポチュニティも増えてくると考えています。

あらゆる領域にAIエッジを

新しい中計2022では「社会課題の解決」を引き続き軸としながら、2019年度から手掛ける「AIエッジ」がOKI全体の事業の核に位置づけられていたのが印象的です。これまで3年の取り組みから、次の3年はどう進化させていきますか。

坪井 簡単に言えば、「AIエッジの適用範囲を広げる」ということです。
 IoTを軸に社会インフラ分野の課題解決に取り組んできましたが、やればやるほど、エッジ側にAIが必要だということがわかってきました。それで2019年10月に、エッジでAIを動かすための専用ハードウェアとしてAIエッジコンピューター「AE2100」を出しました。その活用領域がコロナ禍で非常に広がっています。
 また、AIエッジの考え方はAE2100以外の製品・ソリューションにも活かしています。ATMもプリンターもエッジであり、そこに映像解析や顔認証といったAI機能が入っていく。OKI全体が一貫してAIエッジの活用を志向しており、これを強みとして事業を拡大していきます。

あらゆる領域でAIエッジが成長エンジンになると。

坪井 そこで大事なのがモノづくりの力です。エッジの環境はオフィス等とは異なる厳しい稼働環境が多く、そこでしっかりとAIを動かせるハードウェアも含めたモノづくりが欠かせません。コロナ禍でサプライチェーンの課題などが表出していますが、それも含めてしっかりとしたモノづくりをしていきます。

パートナー80社に手応え

AE2100の発売からちょうど1年、AIエッジの現状は。

坪井 AIエッジは、「“場”で何をするか」にこだわりたいというOKIの思いを具体化したものです。お客様の課題解決を突き詰めていくと、現場に近いエッジでリアルタイム処理をする、具体的にはディープラーニングの推論をする必要がある。そのために、十分な処理能力や耐環境性を備え、省スペース・省電力といった要求にも応えるエッジコンピューターを自ら作ったわけです。
 結果から言うと、この1年で非常に大きな成果を得ています。ユースケース開拓とソリューション開発を協力して進めるパートナーは80社に達しました。AE2100を評価用に無償提供するモニターキャンペーンには現時点で256社が参加し、そのうち85%から有効と評価をいただいています。

かなりの手応えがあると。

坪井 すでに商品化、社会実装も進んでいます。私自身も驚いているのですが、AE2100を活用したソリューションを公募したコンテストにも、これまでOKIと関係のなかった方々を含め19社も参加していただきました。

大きく進捗した要因は何ですか。

(聞き手・太田智晴)
続きは本誌をご覧下さい

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