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2004年5月号

総務省総合通信基盤局電波部
電波政策課長
稲田 修一氏
ワイヤレス市場活性化へ
電波周波数の再配分を行う

無線通信で欠かせないのが周波数の確保である。
総務省では携帯電話、無線LANなど
拡大するワイヤレスブロードバンドの需要に備え、
周波数の抜本的な再配分を目指す電波開放戦略を推進している。

Profile

稲田 修一(いなだ・しゅういち)氏
1977年九州大学工学部卒業、1979年同大学院修士課程修了(情報工学専攻)、1984年コロラド大学大学院修士課程終了(経済学専攻)。1979年郵政省入省、1994年電気通信局電波部マルチメディア移動通信推進室長、1996年同技術管理室長、1997年同移動通信課長、2000年通信政策局情報企画課長、2001年総務省情報通信政策局情報流通振興課長、2002年同技術政策課長、2004年1月から現職

  3G携帯電話、無線LANなどワイヤレスブロードバンドの進展によって、広帯域の周波数が必要になってきます。総務省で取り組んでいる電波の再配分施策について基本的な考えを教えてください。

稲田 以前からも電波の再配分は行ってきたのですが、今回はそれを総合的かつ計画的に行おうということで進めています。昨年10月に周波数の再編方針を公表しました。
 また、現在、すべての周波数帯を対象に電波の利用状況調査を行っています。再配分の候補となる周波数帯を示し、実際に再配分が可能かどうかを調査・公表することにより再配分を促進しようというものです。

  今回は再配分の仕組みをオープンにしたということですか。

稲田 そうです。周波数の利用実態については電波が専門の方はご存じだと思いますが、一般の人には分かりにくかった面もあったと思います。
 今後は電波の利用状況調査を行い、その結果を公表し、国民の意見を踏まえて、より最適な方向に電波の再配分を実施する予定です。
 皆さんにより分かりやすい形で再配分を行っていきたいと思います。

土地政策に似た周波数再配分

  最適な再配分とはどのようなことですか。電波割り当てのポリシーについて説明してください。

稲田 電波を最適に配分し有効利用を実現することはとても重要ですが、それを実行するのはなかなか難しいことです。
 電波の利用は土地の利用と似たところがあります。土地利用の場合、小さなばらばらの土地を有効利用するのは難しいですよね。
 反対に広い土地は高度な利用がしやすい。電波も同じです。また、小さな土地にそれぞれ建物を建てると、日照権の問題が発生します。電波の場合はこまぎれの周波数帯を異なるシステムで使うと電波干渉問題が起こる可能性があります。
 小さな土地をまとめて整地し広い土地にし、有効利用を図る。電波の利用も同様です。細かい周波数に分割し異なるシステムに割り当てると、混信を避けるためガードバンドと呼ばれる帯域を確保しなければならないので利用効率が悪くなります。
 このため、ワイヤレスブロードバンド環境実現のキーとなる携帯電話や無線LANに効率的に周波数を使ってもらうため、電波の区画整理を積極的に実施し、広帯域の周波数を用意しようと考えているのです。

携帯、無線LANに大幅割り当て

  電波利用の効率化のため、政府が積極的に介入する必要があるということですね。米国では市場原理に基づいた自由開放政策をとっており、周波数のオークションを行っています。
 また、周波数の2次売買を認める動きもありますが、これらの動きについてはどのようなお考えですか。

稲田 米国は、国土が広く人口が集中してない国ですし、また、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど大きなマーケットがいくつもあります。
 首都圏に人口が集中し、そこが他を圧する巨大マーケットとなっている日本とは違います。電波政策もこのような違いを十分踏まえるべきだと思います。
 米国で大丈夫だから日本で大丈夫という保証はないと思います。
 電波の売買は、土地の売買と似たところがあります。日本の土地政策のもとで、都会の土地はどんどん細分化されていますが、電波も売買により細分化され、ブロードバンドに適さない非効率な配分になる可能性があります。

  では、どのような基準で周波数の配分を見直していきますか。

稲田 まず、前述のように毎年周波数帯を決めて、電波の利用状況調査を行っています。この調査に基づき、電波の有効利用の程度を評価します。個別の電波システムごとに電波を使わなくても光ファイバーで代替できるケースや、デジタル化することで帯域幅を減らせるケースなどを個別に評価していくわけです。
 このような評価をオープンに行うことで、周波数の再配分が促進されると期待しています。

  周波数帯域が足りなくなってきている分野は何ですか。

稲田 いつでもどこでも何でもネットワークにアクセスできるユビキタスネットワーク時代には、携帯電話や無線LANなどのワイヤレスブロードバンドメディアが重要な役割を果たします。これらにはまだまだ多くの周波数が必要です。
 また、情報家電機器やさまざまなセンサー機器同士がネットワークを形成していくことが考えられますが、ここでも電波が必要です。

  携帯電話、無線LANが伸びるとのことでしたが、具体的にはどのくらい帯域が必要になると見ていますか。

稲田 携帯電話では、5年後に330M〜340MHz幅の需要を見込んでいます。800MHz帯、1.7GHz帯、2.5GHz帯などを中心に周波数を確保する予定です。10年後には最大1.38GHz幅の需要を見込んでいます。
 これについては、テレビ放送のデジタル化で空く帯域、3.5GHz帯、4G/5GHz帯などで周波数を確保する予定です。
 無線LANについては、5年後に最大480 MHzの周波数需要が発生することを見込んでいます。
 また、10年後に最大740MHzくらいの周波数需要を予想しています。
 この場合、5GHz帯だけでは需要をまかなうことが難しく、準ミリ波帯、ミリ波帯への利用拡大が必要になると見ています。

  再配分の対象となる分野は何ですか。

稲田 例えば、従来から屋外用途で25M bpsの高速無線LAN通信を行える19GHz帯の無線LANがありました。
 しかし、今は54Mbpsというより高速なIEEE802.11gが利用できることもあって、19GHz帯はほとんど使われなくなっており、今後は廃止について検討することが適当とされています。
 また、固定無線システム用の一部の周波数帯は、光ファイバーに切り替えるなどの検討を行う予定です。
 これらは2011年か2012年までに行うことが適当とされています。

  もう少し早い時期の計画は何ですか。

稲田 4.9〜5.0GHz帯については、2005年頃までを目途に東名阪の3大都市圏を中心に再配分を行い、無線LANを含む無線アクセスシステムに割り当てる予定です。この周波数帯は、電気通信事業者が固定無線システム用に利用しているのですが、これを光ファイバーなどにリプレースしてもらう予定です。
 また、気象レーダーのシステムについてもナロー化などの技術導入によって、周波数の有効利用が実現できないかを検討する必要性が電波の利用状況調査において指摘されています。
 さらに、ヘリコプターからのテレビ画像伝送システムは現在アナログ方式ですが、こちらも5年以内を目標にデジタル方式の導入を検討することが適当である旨が指摘されています。

  この再配分によって今まで使っていた周波数を手放すことになる事業者に対し、給付金を支払う措置を検討されていますね。

稲田 これは、前倒しで廃止する設備の残存価値や前倒しで代替施設を取得する投資の金利負担分を給付金という形で補償しようというものです。

情報家電でも無線LANが有力

  ワイヤレスブロードバンドでは携帯電話や無線LANを使ったパソコンのほかに、今後どのような端末や使い方がありますか。最近では、情報家電にも注目が集まっていますが。

稲田 ええ。情報家電用の周波数の確保については、早急に取りかからないといけない課題です。
 電波の利用状況調査では、5GHz帯付近で少なくとも30MHz程度、ハイビジョン2チャンネル分の専用帯域を確保することが望まれるむね指摘されています。
 情報家電は規格統一も重要な課題です。機器同士の接続には、配線が要らない無線が適しているでしょう。
 また、誰でもすぐに製品を使えるようにするためには、機器の接続設定を自動的に行う機能が不可欠だと考えています。通信品質を高めるQoS(Quality of Service)機能も不可欠かもしれません。
 これらについては、関係者が協力して開発を進めることにより、消費者に便利な製品が提供できると思います。
 無線伝送技術としては、IEEE802.1系の無線LANの普及を考えると、これを無視することはできないでしょう。

機器同士で通信行うITS


  ICカード定期券などに利用されているRFID、車内の情報化を進めるITSの分野も話題になっていますね。

稲田 米国ではRFIDというと流通用途となるようですが、日本では、マラソンの際に靴のヒモにRFIDを取り付けタイムを計測する、医薬品の容器に取り付け投与ミスをなくすなどさまざまな使い方が考えられています。
 発想が貧困だといわれることが多い日本ですが、この分野ではいろいろとユニークなアイディアが生まれていると思います。
 ITSでは、DSRCというITS専用の無線方式に加え、携帯電話、無線LANなどさまざまな無線通信手段が組み合わされるのではと見ています。
 また、今までのITSは車内で情報コンテンツにアクセスするスタイルが中心でしたが、現在は衝突防止のための車と車の間の通信など運転のサポートや事故の防止に使っていこうという動きが出ています。
 機械と機械が通信するため、基地局など特定のインフラシステムを使わずに複数の端末同士で通信できるアドホックのワイヤレスネットワークが必要ですが、これを安全に構築、運用する仕組みを考えないといけません。
 今後ワイヤレスブロードバンドをさらに発展させるには、アプリケーションやシステムの発展状況を見極めながら、何が本質かを十分に考えたうえで政策を打ち出していく必要があると思います。
 他の国の良い政策を真似するのも大事ですが、他の国に真似されるような政策をどんどん展開していきたいですね。
(聞き手・関 哲彦)
 

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