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2007年1月号

KDDI
執行役員 コンシューマ事業統轄本部 au事業本部長
川井徹氏
MNP好調は5つのバランス
チャレンジャーなので攻めで行く

番号ポータビリティ(MNP)緒戦で30万以上の加入者を獲得するなど好調のKDDI。「端末、サービス、料金、インフラ、スタッフスキルに取り組んできたことが評価されている」と川井徹執行役員は語る。

Profile

川井徹(かわい・とおる)氏
1980年明治大学商学部卒業。同年ゲステッドナーリミテッド入社。86年第二電電入社。2000年10月ディーディーアイ(合併により社名変更)理事 au営業企画部長。01年4月KDDI(社名変更)理事 au営業企画部長。同年12月理事 au中部支社長。03年4月執行役員 au中部支社長。04年4月執行役員 au営業本部長。05年12月執行役員 コンシューマ事業統轄本部 au事業本部長兼au営業本部長。06年10月より現職

  電気通信事業者協会(TCA)が発表した11月の携帯電話契約数で、NTTドコモが初の純減となりました。一方、KDDIは順調に加入者を増やしています。

川井 おかげさまで、昨年11月の純増数の倍以上のお客様にauをご利用いただくことになりました。10月24日に開始された番号ポータビリティ(MNP)が好調であると認識しています。

  MNPではKDDIが独り勝ちの状態ですが、全体的には予想したほど利用されていないといわれます。

川井 MNPだけを見ると、もう少し利用率が高くてもよいのではないかと思いますが、意外だったのはMNPをご利用されず、今までどおり解約されて新規でご契約していただくお客様が多いことです。
 キャリアを変更する方の大半がMNPを利用すると予想していましたが、特に若い人を中心に手数料に抵抗感があったり、番号が変わることにこだわらないお客様がいらっしゃいます。
 月間純増数からMNPでの純増数を引いた数は、昨年の同時期とほとんど変わりません。つまり従来の市場にMNPの移行分が上乗せした形になっています。トータルでは想定内の数字です。
 MNPの開始を待っていたお客様もいましたが、10〜11月はそれほど大きな商戦期ではありません。12月のボーナス商戦と2月後半から始まる春商戦の時期は年契約の更改時期でもあり、例年、市場が拡大します。この時期にMNPが上乗せされると思います。

  MNPでは何に重点を置いて取り組んでいるのですか。

川井 やはり「端末」「サービス」「料金」の総合力です。そしてそのベースとなるエリアや高速大容量といった「インフラ」を整え、それらを伝える店頭スタッフの「スキル」を上げて顧客満足(TCS:Total Customer Satisfaction)を高めることに注力してきました。
 逆に言えば、何かに特化することなく、この5点に取り組んできたことが、評価されている最大の理由だと思います。
 例えばデータ定額は、コンテンツがなければ意味がありません。当社の「ダブル定額ライト」は1050円と4410円の2ラインを用意しています。1050円というと手軽ですが、それなりのコンテンツがなければ、なかなか利用してもらえません。また、コンテンツとして「着うたフル」を揃えても、インフラと端末ができていなければ、1曲ダウンロードするのに何分もかかってしまうのでご利用いただくには無理があります。
 つまり、どれか1点が欠けてもアンバランスになってしまいます。

ソフトバンクの料金は「予想内」

  ソフトバンクモバイルの新料金プランは大きな反響を呼びました。auにとっても驚きの内容だったのでしょうか。

川井 料金内容は「予想内」でした。もともと網内定額サービス「LOVE定額」があり、いつかは網内定額を始められるだろうと考えていたので、あまり驚きはありませんでした。各種制約事項があるのでメリット、デメリットがはっきりしたプランだと思います。
 auからの移行者を対象にした「オレンジプラン」も、オプションなどを含めると「そうなのか」という程度の印象でした。
 ただ、プランの発表方法やタイミングは、われわれでは考えられません。ネットを含めて、お客様に直接お伝えする方法があるとはいえ、自社の冠を付けたショップに聞きに行っても、スタッフが答えられないというようなことはauでは実施しません。
 ソフトバンクは、サービスやコンテンツはグループとしてそれなりのノウハウを持っているので、端末と料金、インフラ、スタッフのスキルが揃うと脅威になると思います。常に動向は注目していかなければなりませんし、「これでいい」などという気持ちはまったくありません。

  携帯電話端末の割賦販売は、ソフトバンクの「スーパーボーナス」で定着すると思われますか。

川井 2年間同じ端末を使い続けることを事前に確約していただくことは簡単ではありません。その後、18カ月と12カ月のコースも出されたので、1つの販売方法として定着するかもしれませんね。
 購入価格の選択はお客様が握っています。どちらにしようか迷ったときに、安い方を選ぶというのは1つの選択肢です。それが全部同じ条件になると、かえって選びにくくなるのではないでしょうか。
 利用期間でしばるというのは、あまりなじまない気もしますが、当社はまったく否定しているわけではありません。割賦販売がお客様に受け入れられるようであれば、今後、十分検討していきたいとは考えています。

「LISMO Channel」で先行

  ドコモは苦手とされていた音楽で、ナップスターの定額音楽配信サービスに一部の端末が対応するなど、急速に追い上げています。

川井 その点は非常に意識していて、1歩か2歩は絶対に先に行きたいと考えています。カタログ上では一見大差ないのですが、中身で勝負していますので、先行優位をさらに強化していきます。
 auが評価をいただいている音楽を例にとると、同じ音楽ダウンロードサービスでも、PCとの連携ではLISMOの方が先行しているという自信があります。「LISMO Channel」では、フル楽曲の長さでプロモーションビデオが見られるという点で、他社より1歩も2歩も先に進んでいます。
 今後は、PCとの親和性や連携をさらに進めて行きます。また、曲数を増やしたり、音質を高めて、進化させていきます。
 ドコモは力を入れる分野と、そうでない分野がわかりやすいと認識しています。それはトップの戦略だと思います。われわれのように追いかけるためには、得意分野で先行しておかなければなりません。
 純増という意味ではいい勝負をさせてもらっていますが、お客様の数では引き離されています。数はパワーであり、お客様に安心感を与えます。それに打ち勝っていかなければならないと思います。

  端末販売の中心は量販店とショップです。MNPでは全キャリアの商品やサービスを比較できることから、量販店が注目されています。販路に変化はあるのでしょうか。

川井 MNPで販路の変化はなく、今までどおりの販売政策です。
 家電製品の場合、メーカーの販売店から量販店にシフトしました。しかし、携帯電話販売店は専門性や丁寧な対応という点でお客様の信頼性が高く、同じようにはならないと思います。
 実際、端末を比較検討する際、ショップは重要視されており、「キャリアの専門ショップははずせない」というご意見が非常に多く聞かれます。ですから、量販店か販売店のどちらか一方だけに注力することはありません。

  最近、携帯電話でもWeb2.0がいわれています。さらに放送との連携など、本来の通話機能から離れた、新しい領域に入りつつあるようです。

川井 auではデータ定額制をいち早く導入し、それをベースにサービスの展開を考えています。
 定額制を生かしたコンテンツには大きく2つのタイプがあります。1つは、音楽やゲーム、映像などの大容量で表現力がリッチなタイプのコンテンツです。もう1つは、オークションやブログ、SNS、検索エンジンなど、ちょっとしたデータを数多くやり取りするタイプのコンテンツです。
 この両方向のコンテンツタイプを取り揃えることが、定額制の料金を生かすのに非常に重要なのです。

  検索エンジンでグーグルと提携したのは、ボーダフォンがソフトバンクに買収され、グループ内のヤフーとの連携を強化するのに対抗したからだという指摘があります。

川井 確かにその側面もありますが、この手の提携の話は短期間でまとまることはありません。定額制における重要なコンテンツタイプの実現手段の1つとして、かなり前から準備を進めていました。
 最近はやりのワーディングとしてCGM(Consumer Generated Media)と呼ばれるものがあります。
 インターネットを利用して消費者が自ら内容を生成するメディアというもので代表的なものとしては、SNS、ブログ、Wikipediaなどがそれにあたります。これもコンテンツタイプとしては、後者のちょっとしたデータを数多くやり取りするタイプのものですが、すでにEZwebのなかで実現しています。
 07年は「CGM元年になる」という人もいますが、実は06年が元年だったのかもしれません。最近ではEC、オークションの分野も好調に伸びています。この分野にも当社は積極的に取り組んでいますので、強みになってくると思っています。

買い替え需要に期待

  auはRev.A、ドコモはHSDPAと携帯電話の高速化が進んでいます。

川井 Rev.AやBCMCS(Broadcast Multicast Service)のキラーコンテンツは何かとよく質問されます。BCMCSは携帯における放送ビジネスを先取りしたサービスである「ニュースフラッシュ」「EZチャンネルプラス」が特徴あるサービスです。特にニュースフラッシュは対象端末の8割を超えるお客様に登録していただいています。
 Rev.Aの最大の特徴は上りの伝送速度が速いことですが、SNSにおいて動画などを投稿する場合に有効です。CGMのように消費者が自ら内容を生成するタイプのコンテンツには非常に有効ではないでしょうか。
 これからのサービスにおいては、お客様自身が情報を発信する世の中になってきますので、インフラとしてもきちんと対応していく必要があると考えています。

  年末商戦や春商戦はMNPの「ヤマ場」といわれます。販売店にはどのような施策をとるのですか。

川井 もともと代理店の関係者に対し「われわれはチャレンジャーなので、MNPは最大のチャンスと捉えてガンガン行きましょう」と言ってきました。基本的に買い替えサイクルは1年で一巡しますから、その間は積極的に施策を打っていきます。

  07年はMNPが一段落し、端末の出荷台数が落ち込むのではないかという悲観的な見方もあります。

川井 総量がこれからも拡大し続けるかというと決してそうではないでしょう。ただ、1億人近いお客様がいるので、買い替え需要が期待できます。楽しく便利に使っていただくために付加価値を付けていくので、機種変更やMNPでの買い替えも見込めます。市場が飽和状態になり、やがて縮小するといわれますが、極端な落ち込みにはならないと思います。
(聞き手・土谷宜弘)

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