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2002年8月号

ケイ・オプティコム 代表取締役社長:田邉忠夫 氏
3つのスローガンで社員の意識改革推進
投資を惜しまず“本物指向”に応える

関西電力グループで情報通信事業を手がけるケイ・オプティコムの事業展開が脚光を浴びている。同社は、近畿一円に張り巡らせた光ファイバーネットワークを活用し、PHS、無線LAN、FTTHといったさまざまなラストワンマイルサービスを安価で提供している。さらに今年4月からは、フュージョン・コミュニケーションズと提携し企業向けにIP電話サービスを開始するなど、積極姿勢がうかがえる。同社の田邉忠夫社長に各サービスの現状と今後の事業戦略を聞いた。

Profile

田邉忠夫(たなべ・ただお)
1963年4月関西電力入社、85年6月東海支社次長、91年6月情報企画部長、97年6月取締役情報通信室長、2000年6月取締役経営改革IT本部副本部長を経て、2000年11月ケイ・オプティコム代表取締役社長に就任。その後、2001年4月から関西どっとコム代表取締役社長、同年10月からケイ・スクエア代表取締役社長をそれぞれ兼務。1940年7月生まれ

――まず、御社が設立された背景をご説明下さい。

田邉 ご存知の通り、2000年3月の改正電気事業法施行に伴い、電力の小売り自由化がスタートし、電力会社も本格的な競争時代に突入しました。そうした中、関西電力グループとして、今後どのように生きていくかを考えた時、本来の事業である総合エネルギー事業をコアに、生活アメニティ事業、情報通信事業の3つを柱とした「総合生活基盤産業」を目指そうということになりました。
 そこで2000年11月に、それまで光ファイバーの賃貸ビジネスを行っていたケイ・オプティコムに、関西電力グループの持っている情報通信に関わる資源を集約し、情報通信事業を手がけるグループ会社として新生「ケイ・オプティコム」を発足させました。

――関西電力グループにおける御社の役割をどのように認識していますか。

田邉 総合生活基盤産業の中身を考えると、総合エネルギー事業にしても、生活アメニティ事業にしても、それを支える重要な基盤が情報通信事業になると思います。その部分をわれわれが背負っているということで、責任の重さを実感しています。

――サービスの核となる光ファイバーネットワーク敷設の進捗状況はいかがですか。

田邉 当初の計画通り、今年の3月末までに3万6000kmを敷設することができました。これにより、今春から近畿2府4県の82市町という広範囲でのサービス提供が可能になりました。世帯数にしますと、近畿地方の約7割がサービスの対象になります。
 さらに、来年3月末には4万kmまで延伸する計画です。

軌道に乗ってきたFTTH

――各ラストワンマイルサービスについてお聞かせ下さい。まず、PHSを利用した「eo64エア」が好評のようですね。

田邉 ええ。おかげさまで昨年6月のサービス開始から1年ほどで12万1000ものお客様を集めることができました。これは、eo64エアのキャッチフレーズで特徴でもある「めちゃ安!簡単!どこでもインターネット!」というのが多くのお客様に受け入れられた結果だと考えています。
 また、物作りをする場合、俗に「ナンバーワンではいけない。オンリーワンでなくてはならない」といいますが、このeo64エアは当社にしか提供できないオンリーワン商品ですので、今後も大切にしていきたいと思っています。

――無線LANを利用した「eoメガエア」はいかがですか。

田邉 こちらは大々的にやるというよりも、スポット的な展開を考えています。例えば、マンションにはFTTHが導入できない物件が約3分の1もありますから、そうしたところなどに展開していければと思っています。
 eoメガエアは現在、2.4GHz帯を利用し、実効値で最大3Mbpsのサービスを行っていますが、今後5GHz帯を採用できるようになれば、十分にユーザーに満足していただけるブロードバンドサービスが提供できるようになると思っています。

――注目のFTTHでは、昨年の「eoメガファイバー マンションタイプ」に加え、4月1日からは戸建て向けの「eoメガファイバー ホームタイプ」の提供を開始されましたね。

田邉 はい。eoメガファイバー ホームタイプは、3月1日の申し込み受付開始から約2週間で1万件以上のお申し込みを受けるという大きな反響を得ることができました。
 しかし、残念ながら工事の遅れという問題が発生し、お客様にご迷惑をかける形になってしまいました。

――原因は何だったのですか。

田邉 光ファイバーの場合、電力線とは違って1本1本の細い芯線をお客様宅まで引っ張る必要があります。それをスムーズに行うためには、芯線管理を徹底して行わなければならないのですが、われわれがこの芯線管理に不馴れであったということが最大の原因です。
 ここにきて、約1万3000のお客様がサービスインでき、ようやくサービスが軌道に乗ってきました。工事期間が2カ月を超過した場合の費用減額なども実施し、1日も早いサービスのご提供に全社をあげて努めています。

――これだけの種類のラストワンマイルサービスがあると、各サービスが競合することにはならないのですか。

田邉 確かに、当初はeo64エアのお客様がFTTHに流れていくのではないかという心配をしました。しかし、12万1000のお客様のうち、eoメガファイバーに申し込んだのは約680名と、きちんと棲み分けができています。また、eoメガファイバーへの加入時にeo64エアを解約したお客様は300にも満たない数で、eo64エアのメリットも評価いただき、併用していただいている方も多いということです。

IPに特化した綱作りが低料金の鍵

――今後、御社が特に注力するサービスは、やはりeoメガファイバーになるのでしょうか。

田邉どのサービスにもお客様が付いていますので、当然、どれにも注力していきます。
 ただ、eo64エアはどちらかというと、初心者向けのサービスといった位置付けです。そういった方々にまず加入してもらい、インターネットやメールを楽しんでいただければ、やがてはブロードバンドの世界に興味を持たれることでしょう。その時に、うまくeoメガファイバーに誘導できたら、お客様に対してこれ以上の満足感を与えるサービスはないと思っています。

――eo64エアが月3000円、eo64メガファイバー ホームタイプが端末設備使用料込みで月6000円と、非常に安価な料金設定をされていますが、これを実現できた理由はどこにあるのでしょうか。

田邉 いろいろありますが、最大のポイントは、当社のネットワークが最初からルーターという安価な装置だけを使って形成したIPに特化したネットワークだということです。他のキャリアは、ATMやフレームリレー方式など、いろいろな通信方式のインフラを持っておられ、それがまだ償却できていない状況です。この差が料金の差となって表れているのではないでしょうか。

――御社は、法人向けの「ビジネスeo」や「IP-VPNサービス」にも力を入れ始めていますが、同じ関西電力グループには企業向けの専用線事業を展開している大阪メディアポート(OMP)があります。そちらと競合する部分はないのでしょうか。

田邉 確かに競合する部分があるのは事実ですが、そこは同じグループ会社ということもあり、両社で話し合いながら調整しています。
 しかし、OMPは大企業向けサービスから徐々に中小企業へと裾野を広げてきており、当社はコンシューマー向けを基軸に、中小企業を取り込んでいます。お互いの出発点が違うので、あまり心配する必要はないと思っています。

IP電話は付加価値サービスに

――ところで、4月1日から法人向けのIP電話サービスを開始するとともに、フュージョン・コミュニケーションズと提携されました。まず、提携の狙いをお聞かせ下さい。

田邉 われわれは関西に特化した会社で、あくまでも地方区です。地方区には地域に特化し密着するという生き方がありますが、電話となると、どうしてもそれだけでは済みません。具体的にはNTT東西の固定電話との接続が問題になってきます。それをわれわれだけでやろうとすると、関西だけでも少なく見積って京都、大阪、神戸に関門交換機を設置して接続を行わなければなりませんが、この交換機が非常に高価なものなのです。それならば、専門家のフュージョン・コミュニケーションズと提携してやれないかと思い、お話をさせていただいたのです。

――この場合、御社の収益が目減りするというデメリットがあるのではないでしょうか。

田邉 確かにそういう面もあります。しかし、われわれはIP電話サービスを生活の糧にしていこうとは思っていません。あくまでも付加価値サービスという位置付けで、このサービスがあることで、eoシリーズの加入動機につながっていけばいいと考えています。

――サービスの現状はいかがですか。

田邉 残念ながら、反応はまだ今一つです。IP電話サービスを利用する条件となるIP-VPNサービス自体がまだ、企業の一部で導入される形にとどまっており、企業全体で加入していただくという段階までにいたっていませんので、これからだと思っています。

――今後は当然、コンシューマー向けサービスを視野に入れていると思いますが、サービスイメージはどのようにお考えですか。

田邉 コンシューマー向けに関しては、われわれ独自のIP電話サービスを考えて提供していく方針です。まだ具体的なことは話せませんが、今年の秋には何らかの形でサービスを開始できるようにしたいと思っています。

――最後に、今後の事業の舵取りをどのようにしていくか教えて下さい。

田邉 従来、電力会社というのは悪くいえば、お客様の上にあぐらをかいていても問題なくやっていけました。しかし、通信の世界はそうはいきません。このため、いかにして社員の意識改革を行っていくかが重要になります。
 私は就任時に、IPの世界はオープンだということ、スピードが大切だということ、ユーザーを大切にしなければならないということで、「オープン、スピード、1to1(ワントゥワン)」という3つのスローガンを掲げましたが、これを今後も実践していきます。
 また、今は本物だけが生き残る「本物指向」の世の中です。私はブロードバンドの本物は、FTTHだと思っていますが、単にFTTHというインフラを提供するだけでなく、バックボーンなどにも投資を惜しまず、トータルとしての本物のサービスを提供し、お客様の信頼を得ていきたいと思っています。

(聞き手・藤田 健)

用語解説

ケイ・オプティコムの主な個人向けサービス
●eo64エア
PHS技術(通信機能内蔵PCカード)を利用した最大64kbpsのインターネット接続サービス。月額利用料金は通信料・ISP料込みで3000円

●eoメガエア
2.4GHz帯の無線LAN技術を使用した最大3Mbpsのインターネット無線アクセスサービス。月額利用料金は通信料・ISP料込みで3800円で、別途端末設備利用料600円が必要

●eoメガファイバー マンションタイプ
光ファイバーをダイレクトにマンションまで引き込む最大10Mbpsのインターネット接続サービス。月額利用料金は通信料・ISP料込みで2980〜3980円(契約形態や加入者数により変動)。最大100Mbpsの光ファイバーを引き込むメニューも用意

●eoメガファイバー ホームタイプ
光ファイバーを直接ユーザー宅に引き込む最大100Mbpsの戸建て向けFTTHサービス。月額利用料金は通信料・ISP料込みで5500円で、別途端末設備利用料500円が必要。なお、7月13日からサービス名称を「eoホームファイバー」に改称
 

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