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2003年10月号

ノーテル ネットワークス アジア太平洋地区 社長
ジョン・ジアマテオ氏
キャリア投資の転換点捉え
次世代技術でトップの実力を示す

ノーテル ネットワークスが、通信不況の余波から抜け出し黒字転換を果たした。
日本を含むアジア太平洋地区の舵を取るジョン・ジアマテオ社長は、
「先進の技術を生かして、競合他社を引き離す」と意気を上げる。

Profile

ジョン・ジアマテオ(John Giamatteo)氏
米セント・ジョンズ大学で理学士とMBAを取得。米コロンビア大学で大学院コースを修了。ノーテルネットワークスに15年以上籍を置き、財務、営業、マーケティング、オペレーション等々のマネージャーを歴任。1999年にアジアへ赴任し、通信事業者のオプティカル・ポートフォリオを統括。2001年8月にノーテル ネットワークス日本法人の代表取締役社長に就任。同時に韓国法人の社長も務める。2003年1月から、フランク・ダンCEO直属のアジア太平洋地区社長として、中国以外のアジア太平洋地域での営業、販売、戦略を統括

  2001年8月に日本法人の社長に就任されてからこの間の事業環境をどう捉えていますか。

ジアマテオ 大変な時期だったというのが率直なところです。市場自体は、ネットワークのIP化がより明確なものとなったことで先々の期待が高まっていきましたが、ITバブル崩壊によるダメージは大きく、業界では事業建て直しのためのリストラクチャリングが進められました。
 ノーテル ネットワークスも例外ではありませんでした。ただ幸いにも、業界が下降線を辿るであろうことに早期に気付いたおかげで、事業再編、というよりも市場の現実に合わせて事業そのものを再定義する必要があると判断し、日本も含めワールドワイドで組織を改革しさまざまな施策を打ってきました。
 その結果、今年上半期に黒字転換を果たしました。これは、この2年間で最も特筆すべき出来事といってよいでしょう。

  これから御社が業績を伸ばしていくためのポイントは何ですか。

ジアマテオ これまでのわれわれの歴史を振り返ると、市場における転換点を的確に捉えて、革新的な技術によって飛躍を遂げてきました。
 例えば80年代、アナログ交換からデジタル交換への移行期に投入したキャリア向けの「DMSプラットホーム」は、米国で短期間にシェア50%を獲得し、日本でもNTT向けビジネスで成功を収めました。90年代には、光技術の登場とインターネットの台頭からブロードバンド接続の要求が高まったことを受けて、10Gbps光伝送技術の開発に意欲的に投資し、市場の90%を押さえるほどの実績を上げることができました。
 こうした高い技術力を生かして、今後もネットワークの変革を促すようなソリューションを提供していけば、市場をリードしていくことができると考えています。

  阻害要因があるとすると、どういったものが考えられますか。

ジアマテオ やはり、今後の経済環境がどうなっていくかということと、競合相手がどのような動きを見せるかの2点にあると思います。
 しかし、前者については回復の兆しが見えてきていると思いますし、後者についても、われわれは大きなアドバンテージがあると思っています。というのは、われわれはもはや「事業をどう再編するか、組織をどうするか」といった内部のことで苦悩する必要がなくなり、市場とお客様の動向に目を向けることができるようになりました。これは、まだ黒字転換ができていない企業ではなかなかできないことだと思います。
 この優位性は、当然ながら技術やソリューションの開発・提供という面にも表れてきますから、われわれは今、競合他社との差をさらに広げられる絶好のポジションにいると考えています。

最先端ソリューションを日本で試す

  日本市場における具体的なビジネスについて教えてください。まず、キャリア向けのソリューションではどのような展開をしていきますか。

ジアマテオ われわれは、光伝送、固定系通信、ワイヤレスの3分野でそれぞれソリューションを提供しているわけですが、日本は市場規模という面だけでなく先進性という点でも非常に魅力的です。ADSLやFTTHといったブロードバンドの急速な進展、携帯電話分野での3Gへのシフトなど世界をリードする市場で、われわれとしても最先端のソリューションをテストできるというチャンスを得られますからね。
 分野別に見ていくと、光伝送では、過去3年間世界のトップシェアを維持してきたソリューションを日本市場でも積極的に展開していきます。特に、一番の成長市場としてメトロネットワークに大きな期待をかけています。実績という点で見ても、例えばKDDI(au)が提供するCDMA20001xサービスのネットワークで、われわれのメトロオプティカルネットワークソリューションが採用されています。
 固定系通信分野では、何といってもVoIPです。ここでも、われわれは今年上半期のVoIPポート出荷数でトップの実績を上げることができましたから、今後さらに盛り上がるであろう日本のVoIPサービスにわれわれのソリューションが貢献できると思います。
 そしてワイヤレス分野では、次世代の3つの標準であるGPRS、CDMA、UMTSのすべてのシステムをワールドワイドで提供している強みを生かしていきます。この分野は、実はノーテルネットワークスの事業の中でもウエートが大きく、今年第2四半期は全体の約40%となる10億ドル近い売り上げをあげています。今後は2Gから3G、さらに4Gへと向かう中で、キャリアの投資も大きくなっていくのは間違いないところですから、その流れの先端を行く日本市場に食い込むことは非常に重要なポイントだと考えています。

  しかし、キャリアの動向を見ると、かつてのような旺盛なインフラ投資は見込めない状況にあると思います。その点が、今後のビジネスにおいて何らかの障壁になることはありませんか。

ジアマテオ おっしゃる通り、日本に限らずキャリアの投資は減少傾向にあります。ただ、ここで重要なのは、投資額が減っているということよりも、投資の対象がシフトしているということです。つまり、これまで回線交換をはじめとしたレガシーネットワークの分野に投資していたものが、先に述べたように光ネットワーク、VoIP、3Gなどに移行しているのです。
 われわれは、この間の厳しい事業環境においても先見性をもって、これらの分野に関する技術開発に積極的な投資を行ってきました。そういう意味では、これまで続けてきた努力がいよいよ報われる時が来たといえるでしょう。

  ワイヤレス市場では、携帯電話の進化の一方で無線LANの台頭が話題にのぼり、4Gの論議にも大きな影響をもたらしています。御社もこの7月に無線LANソリューションを発表しましたが、この分野についてはどのような見通しを立てていますか。

ジアマテオ まず、無線LANと3Gは競合するものではなく、相互補完の関係にあって、それによりモバイルの世界を大きく広げていくことになると見ています。
 そのうえで、市場がどのように動いていくのかということについて、われわれの研究開発部門もリサーチを進めていますし、世界の大手キャリアともいろいろと話をしています。もちろん、そうした中で4Gを改めてどのように定義付けていくかという議論も行っています。

新ビジョンで企業向けも再強化

  一方で御社は、企業ネットワーク市場に向けて「One Network A World of Choice」という新しいビジョンを打ち出し、ビジネスの強化を図っています。これにはどのような背景があるのですか。

ジアマテオ われわれの事業は、もともとキャリア向けと企業向けの2本柱で展開してきたことからすると、「事業基盤の再強化に乗り出した」ということになるのですが、別の側面で、キャリアに対する企業ニーズの変化  企業ユーザーがキャリアに高度なマネージドサービスを求めるようになってきていることも大きな要因となっています。こうしたことにより、われわれにとっては、キャリア向けに開発した最先端のソリューションが企業向けビジネスにも生きるという相乗効果が生まれてきているのです。
 そこでわれわれは、今年4月に「One Network A World of Choice」、すなわちお客様の事業規模や内容、やり取りされるデータの形式に関わらず、よりシンプルで統合的なネットワークの構築を促進するというビジョンのもと、まずは一般企業や官公庁、教育機関、医療機関などに最適な10のネットワークソリューションの提供を開始しました。広域SAN(Storage Area Network)や監視システムによるディザスタ・リカバリー(災害復旧)、映像配信、マネージドVPN、VoIP・IPセントレックスといった、市場で関心の高まっているさまざまなソリューションを揃えており、お客様側の反応も上々です。

  企業向けソリューションを展開していくうえで重視していることは何ですか。

ジアマテオ 日本においては、実際にお客様と深いつながりを持っているパートナー企業と連携していくことが最も重要だと考えています。
 今回の新しいソリューションの中でも、例えば、ディザスタ・リカバリーソリューションでは伊藤忠テクノサイエンス(CTC)とサン・マイクロシステムズ、広域SANでは日本ユニシス、ユニアデックス、ブロケード コミュニケーションズ システムズと協業、マネージドVPN分野では日本テレコムとパートナーシップを結んでいます。
 また、NTTコミュニケーションズがわれわれのメトロオプティカルソリューションを採用して、ファイバーチャネル等のストレージサービスの提供を始めていますし、マルチキャストの画像配信サービスでも、ある通信事業者との共同提案で導入が決まった事例があります。

  パートナーに対する支援や連携強化という点では、どのような施策を考えていますか。

ジアマテオ プリセールスにおいてはセールス、マーケティング、エンジニアリング等さまざまな側面でわれわれのソリューションに関する深い知識の提供を行っています。また、ポストセールスでは強力なテクニカルサポートチームを東京に置いてリアルタイムに支援できる体制を整えています。もちろん、新しいテクノロジーやソリューションを正しく理解し効果的な提案に結び付けてもらうためのトレーニングも継続的に行っています。
 一方、パートナーと連携した施策という点では、お客様向けの共同セミナーを定期的に開催しています。最近はIP電話やSANに関するセミナーを開きました。こうしたことによって、パートナーとの関係だけでなくお客様との関係も深めることができています。
 もう1つ、これは目に見えるものではないのですが、われわれは「パートナーとはWin-Winの関係でなければならない」ということを常に心がけています。この点では、競合他社に絶対負けていないと思います。既存のパートナーだけでなく、これからお付き合いしていくパートナーに対しても、互いに利益を上げ価値を創造していく姿勢を貫いていきたいと考えています。
(聞き手・伊藤秀樹)
 

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