黒澤 過去の歴史を振り返れば、どんなテクノロジーの世界でも、最初のブームがはじけ、その後はじめて地に足の着いた成長期を迎える、というサイクルを辿っています。英国で始まった鉄道もそうですし、米国の自動車もそうでした。
ネットワークも同じような経緯を辿っているのではないでしょうか。ネットバブル崩壊後の停滞期を乗り越え、今やさまざまな業界や市場で強力なネットワークの構築が再開されつつあります。よく言われるように栄えた国はその時代の最先端技術を活用して伸びてきました。今はITとネットワークがそれであることは間違いありません。
この2年間、シスコシステムズは、「BACK TO THE BASIC」というスローガンを掲げ、まずは基本に立ち戻り、次の成長期を迎えようということでさまざまな準備を進めてきました。
ワールドワイドでは、セキュリティソフトウェアメーカー米Okenaや、ホームネットワーク機器メーカー米Linksys、ストレージネットワーク機器メーカー米Andiamoを買収するなど、新分野への進出の準備を行ってきました。
また、比較的新しい製品領域であるIP電話や光スイッチ製品、ストレージ等は、停滞期の中でも著しい成長を見せています。2003年度決算ではシスコ全体で、売り上げは189億ドルと前年度と横ばいながら、年間純利益は2002年度の19億ドルから36億ドルへと大幅アップを達成しました。2002年8月から始まった2004年度には「成長」を合言葉に、事業を展開しています。